研究課題/領域番号 |
15340117
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 豊 京都大学, 低温物質科学研究センター, 助教授 (60205870)
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研究分担者 |
水崎 隆雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025448)
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キーワード | 核整列固体ヘリウム3 / 反強磁性 / 磁区構造 / 核磁気共鳴映像法 / 磁壁 / メモリー効果 / マイクロケルビン / 自由誘導減衰 |
研究概要 |
超低温度核磁気共鳴映像法(MRI)の実用段階の装置として建設してきた超低温度核磁気共鳴映像法用の新冷凍設備、およびMRIシステム等を完成させた。MRI測定の安定度と解像度も従来より大幅に向上させることができ、また撮像に要する時間も大幅に短縮することができた。以前の実験では解像度不足で十分に調べることのできなかった、磁区構造の起源解明あるいは高磁場相との間を往復したときのメモリー効果の起源の解明に向けた実験を開始することができた。またNMRの共鳴周波数を広範囲に変化させられるようになったので、従来のMRI実験では確認できなかったSuh1不安定性による自由誘導減衰信号の変化などを確認することができた。さらに擬強磁性相とU2D2相の間を外部磁場を変化させて行き来したときの安定相の発展の様子を測定することができた。安定相の時間発展は指数関数型の時間依存を示し、観測されているプロセスが核生成機構に支配されていることを強く示唆している。またMRIにより核生成した安定相の結晶内の分布を調べたところ、結晶を取り囲む超流動ヘリウム3に近い領域に偏在しており、その核が時間とともに結晶内部に向かって成長している様子が観測された。そのとき同時に結晶内に有為な温度勾配が発生していることも確認された。これは相転移に伴う潜熱の影響であると考えられ、結晶内の熱の流れを考慮することによりデータ解析を進めているところである。
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