研究課題/領域番号 |
15340133
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井元 信之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00313479)
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研究分担者 |
小芦 雅斗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90322099)
山本 俊 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, COE特任助手
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キーワード | 量子情報処理 / 線形光学量子演算 / 量子ドット / エキシトン / 量子ゲーム / エンタングルメント / 量子暗号 / 量子多者間コンピューティング |
研究概要 |
今日の非線形光学技術では量子情報処理を直接実現することは困難であるが、2001年以来、パラメトリック下方変換やビームスプリッターや偏光ビームスプリッターだけでもかなりの量子情報処理ができることがわかって来た。本研究はハード面として半導体量子ドットのエキシトンを用いる量子情報のデコヒーレンスやエンタングルメントを、ソフト面として線形光学を用いるエンタングルメント操作や量子ゲームの可能性を追求したものである。 量子ドット間の線形相互作用と現実的非線形相互作用(クーロン相互作用)の下でエキシトン状態のダイナミクスの厳密解を求めた。その結果二つのドット間に強いエンタングルメントを誘起させ得ることを明らかにした。またコヒーレント状態重ね合わせの偶状態と奇状態を0と1とするqubitのデコヒーレンス耐性、デコヒーレンスのドットサイズ依存性を明らかした。 線型光学を用いる量子演算を簡単なものからエンタングルメント抽出まで体系化を試みた。特に光子カウンターが不完全な場合についてそれぞれの演算の動作について数値的に解析し、現存のカウンターでも高い忠実度でいくつかの演算が可能なことがわかった。 量子ゲーム理論では、非協力型ゲームにおけるエンタングルメントと古典相関の役割を比較し、一般には前者の方がゲームの様相に与える影響は大きいことがわかった。また、量子ゲームが特別な場合として古典ゲームを含むための条件を考察し、GHZ型三粒子エンタングルメントは含むがW型の場合はそうではないことがわかった。 強い非線形性を用いない量子情報処理としてB92量子暗号の無条件安全性を理論的に検討し、安全条件を求めた。これは1997年にBB84安全性証明が行われて以来の懸案を世界で初めて片付けたものである。個別盗聴に限定した場合から無制限盗聴まで対象とした。また、現在考えられている量子暗号は実質的に鍵配送だけであるが、それを秘密分散に拡張する実際の方法を示した。
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