研究課題/領域番号 |
15340139
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田垣 孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214147)
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研究分担者 |
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90260588)
松井 淳 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10274424)
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キーワード | ガラス転移 / 自由エネルギーランドスケープ / 密度汎関数理論 / ストリングモーション / 2次複素比熱 / 主成分解析 / 散逸系の境界摂動 / 粒子分散系 |
研究概要 |
1.原子を配位空間内の仮想的な位置に固定し、その周囲の位相空間から決められる自由エネルギーを、その原子配置の関数として自由エネルギーランドスケープを定義することにより、ガラス転移がランダウの相転移理論と同様の枠組みで理解できることを示した。また、構造緩和の素過程の統計量が協調緩和領域で決定されることを示した。 2.ランダムな粒子配置から1粒子を強制変位させたときの自由エネルギーランドスケープを、密度汎関数理論を用いて具体的に計算し、ストリングモーションが緩和過程の素過程になることを示した。 3.主成分解析を用いて、分子運動を早い運動と遅い運動に分離する手続きを定式化し、遅い運動の出現頻度から自由エネルギーランドスケープが決定できることを示した。 4.自由エネルギーランドスケープ描象に基づいた、2次の複素比熱の概念を提案し、2次の複素比熱の振動数無限大の温度依存性が、系の緩和時間と関係付けられることを示した。 5.複数個の調和振動子で結合した二つの戸田格子上のソリトン伝搬を数値的に解析し、ソリトンの遅延透過現象を発見した。 6.好戦的社会、平和主義社会において階級が自己組織化されることを示した。好戦的社会では、階級形成と同時に村が出現し、社会構造の固定化が起こることを示した。 7.量子系に対して、境界摂動をうける系の応答と初到達時間との関係を導き、境界摂動による散逸過程の一般的性質を明らかにした。 8.粒径分布のある粒子分散系のパーコレーション転移密度を求め、2次元系では分布の巾の関数として極小点があることを示した。
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