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2003 年度 実績報告書

超高圧高温実験に基づくコア-マントル境界の物質科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15340147
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

八木 健彦  東京大学, 物性研究所, 教授 (20126189)

研究分担者 宮島 延吉  東京大学, 物性研究所, 助手 (90345231)
キーワードコア-マントル境界 / FeO / Fe-FeO系 / レーザー加熱 / 高圧X線
研究概要

本研究は、コア-マントル境界領域におけるコア物質とマントル物質の物性や反応を明らかにすることを目的としており、本年度は主として実験技術の改良と、それを用いた予備的実験を行った。
まずダイヤモンドアンビルと組み合わせて超高圧高温環境を作り出すレーザー加熱システムに新たに輻射スペクトル測定装置を一式組み込み、既存の装置と併せて加熱中の試料の両面の温度を同時に測定できるようにし、温度測定の精度を向上させた。設備備品費のほとんどはこの測温システムの導入に使われた。このシステムを用いて、FeO単体、およびFeO-Fe混合系の試料をNaClやAl_2O_3を圧力媒体として15-100GPa領域まで加圧し、融解するまで様々な温度に加熱した。一部の加熱実験は筑波の放射光実験施設PFのBL13ビームラインで行ない、高温高圧下のX線その場観察も行なった。また加熱後の試料は回収して1気圧下で研磨処理を行い、電子顕微鏡による組織や組成の観察を行った。これらの実験を通して、従来さまざまな矛盾した結果が報告されて実態がまだよく分かっていないFeOの超高圧高温領域における相平衡関係の全貌が明らかにされつつある。またFe-FeO系の実験からは、この系における共融点の圧力に伴う組成や温度変化の様子が明らかにされつつある。これらの情報はいずれもコア-マントル境界におけるFeとケイ酸塩の反応の様子を解明していく上で重要となるものである。
これらの予備的実験を通して、基本的には予定された手法により目的が達成される見通しが立ったが、温度の安定度や試料と圧力媒体の化学反応など細かい実験技術上の問題がいくつか明らかになり、それらを解決すべく、さまざまな試みが繰り返されている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Mukaide: "High pressure and high temperature phase transformation in LiNbO_3"J.Appl.Phys.. 93. 3852-3858 (2003)

  • [文献書誌] N.Nishiyama: "Phase relation and mineral chemistry in pyrolite to 2200℃ under the lower mante pressures and implications for dynamics of mantle plumes"J.Ggeophys.Res.. 108. 2255-2266 (2003)

  • [文献書誌] H.Hirai: "Retention of filled ice structure of methane hydrate up to 42 GPa"Phys.Rev.B. 68. 172102 (2003)

  • [文献書誌] T.Yagi: "Complicated Effects of Aluminum on the Compressibility of Silicate Perovskite"Phys.Earth.Planet.Interious. (in press). (2004)

  • [文献書誌] T.Kondo: "Phase transitions of (Mg,Fe)O at megabar pressure"Phys.Earth.Planet.Interious. (in press). (2004)

  • [文献書誌] 八木健彦: "高圧X線実験に基づく圧力測定は本当に信頼できるのか?"高圧力の科学と技術. 13. 66-71 (2003)

  • [文献書誌] 八木健彦: "新しい高圧力の科学「地球科学における超高圧技術」"講談社サイエンティフィック,毛利信男編. 336 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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