研究課題/領域番号 |
15340150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教授 (00291500)
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研究分担者 |
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291480)
肥後 祐司 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 研究機関研究員 (10423435)
大藤 弘明 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助手 (80403864)
山崎 大輔 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (90346693)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | マントル鉱物 / 弾性波速度 / 超音波速度測定 / 水の分配 / 含水マグマ / 高圧含水相 / 高圧発生装置 / 地球内部の水 |
研究概要 |
本研究では高温高圧実験という手段を用いて、地球深部鉱物の物性とその水の影響について明らかにした。実験は急冷回収実験とともに、放射光X線その場観察実験により行われた。 我々の研究により、olivineの高圧相であるwadsleyiteやringwooditeには2-3wt%もの水が結晶構造中に含まれうることが明らかになっているが、その分配については明らかにされていない。そこで、相転移が起こる圧力下での実験を行うことによって、これらの相間の水の分配を明らかにした。これによりマントル遷移層に極めて卓越的に水が分配されることが明らかになった。 これに加えて、これらの含水鉱物hydrous wadsleyite, hydrous ringwooditeの熱弾性的性質を求めるべく、熱膨張測定、及び弾性定数の測定も行った。これらのデータを用いて、410km不連続面の地震波速度ジャンプ量と比較して、マントル遷移層中の含水量を見積もった。このマントル中の含水量を推定する研究はさらに地震学者との共同研究という形で進展した。 さらに放射光X線を用いた研究では、高圧含水鉱物の熱弾性的性質やその脱水分解反応を見るために、カプセルに封入した状態でのデータ収集を試みた。これには貴金属でも比較的原子番号の小さいAgPd合金を用い、十分解析に耐えうるスペクトルが得られることを確認し、superhydrous phase Bの実験に適用した。しかしながら、このカプセルでは、まだX線の吸収が大きく、更なる含水系の実験カプセルとして、単結晶ダイヤモンドスリーブと貴金属キャップという複合カプセルを考案し、含水マグマの構造解析の実験に用いるとともに、最近では脱水分解反応の時分割測定にも威力を発揮することを示してきている。
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