研究課題/領域番号 |
15340156
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40217857)
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研究分担者 |
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教授 (20167951)
津田 敏隆 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30115886)
古本 淳一 京都大学, 生存圏研究所, 講師(研究機関研究員) (10402934)
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (90293943)
堀之内 武 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (50314266)
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キーワード | ライダー / ラマン散乱 / 水蒸気プロファイル / 自動観測 / 対流圏 / エアロゾル / 音波電波併用レーダー / リモートセンシング |
研究概要 |
本研究課題では、RASS(電波音波併用レーダー)による対流圏(2km以上)から成層圏にかけての温度観測ならびにレーダーエコー強度の観測を用いた水蒸気プロファイルの観測を発展させるため、高度200mの大気の水蒸気量を計測する移動用のラマンライダーを開発し、地上から3-4kmまでの大気の風速を測定するプロファイラーに併設して地上から高度2--3kmまでの境界層・下部対流圏内の水蒸気量を昼夜天気にかかわりなく計測するための移動観測システムを作成し、湿度プロファイングに関する開発研究を行うことを目的とした。本年度は、まず昨年までに開発したライダーシステムについてこれまでの観測結果を反映して改良を行った。とくに、受光部の分光系の構造を改良したほか、ビームの走査範囲を天頂付近から水平方向に拡大した。また、ネットワークによる遠隔制御を可能にした。このために光学部品・電子部品などの消耗品を購入した。開発したライダー装置を用いて、下部対流圏プロファイラレーダー(LTR)観測やMUレーダーと長期間(4ヶ月以上)にわたる複合観測を行い、ラジオゾンデを間欠的に上げ、観測結果を比較検討した。このためにラジオゾンデ(消耗品)を購入した。この結果、ライダーは長期に安定で、ラジオゾンデとの水蒸気量偏差は4-5%以内の時間変動であった。また、夜間に絞りを開けた高高度までの観測では、高度3-4kmまでのプロファイルが良好に得られた。さらに、信楽での森林上空の水蒸気変動の水平構造観測や、阿蘇山中岳火口付近の水蒸気断面の観測など種々のフィールド観測へ応用し、開発した装置の新たな応用や車載での移動観測の機動性を示した。これらの結果は、国内外の学会で発表および発表予定であり、また論文として投稿準備中である。以上のように本研究は当所の予想を上回って多くの新しい応用観測が可能となるシステムを開発することができた。
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