研究課題
(1)太陽風加速について前年度までの研究により、太陽活動極小期において、太陽風の速度は太陽光球面磁場強度とその上空にのびる磁束管の拡大率によって決定されるという観測的な事実を発見した。この経験則が太陽活動周期にわたり成立するユニバーサルな関係であるか否かを見極めるため、今年度は、太陽活動上昇期〜極大期にかけて解析を行った。その結果、上記の関係は太陽活動極大期においても成立しているが、各パラメータへの依存性が異なっている可能性が見つかった。(2)CMEの伝搬について太陽コロナの爆発により、CMEが宇宙空間へ放出された後の伝搬の様子をIPS観測データから推定し、CMEの伝搬速度の距離依存性を求めた。その結果、減速の度合いが背景の太陽風に依存していることを明らかにし、学術論文に投稿した。(3)CMEの形状について2003年10月28日に発生したCMEの構造および伝搬速度をIPSデータから推定した。その結果、このCMEはループ構造をした擾乱モデルでよく説明でき、伝搬速度は1100km/s、総質量は3.2×10^<16>gであると推定された。この結果をSMIE衛星の観測データと比較したところ、その構造、質量はよい一致をしていることがわかった。2004年11月に発生した一連のCMEの構造をIPSデータから推定し、他の観測データとの比較を行った。各CMEの3次元構造の推定は順次行っているが、これまでのところ、2004年11月9日に発生したCMEについては球殻状構造を仮定した擾乱モデルで概ね説明できることが判明した。
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すべて 雑誌論文 (5件)
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Proceedings of URSI GA 2005 (XXVIIIth General Assembly of International Union of Radio Science (URSI), October 23-29, 2005, New Delhi, India (in press)