研究課題/領域番号 |
15340164
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 衛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (20210560)
|
研究分担者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30026249)
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (90293943)
中村 卓司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40217857)
斉藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 助手 (10311739)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
|
キーワード | 中緯度電離圏 / E領域F領域カップリング / レーダー観測 / 電離圏イレギュラリティ / 同時多点観測 / 低緯度電離圏 |
研究概要 |
中低緯度電離圏では、分極電界が地球磁力線に沿って伝播しうるため、E領域とF領域FAI間には相互作用が予想される。しかし観測の難しさから、研究は不十分であった。本研究では、種々の観測によって同一磁力線上におけるE・F領域電離圏の振舞いを調べ、電界を通じたE・F領域の相互作用を明らかにし、両領域のイレギュラリティ(FAI)生成機構の解明を目指した。今年度は下記の研究を実施した。 1.中緯度域における観測キャンペーンFERIX(F-and E-Region Ionosphere Coupling Study)実施のため、5〜9月の期間、下部熱圏プロファイラーレーダー(LTPR)と大気光イメージャを山形県酒田市に設置し、MUレーダーとの同時観測を実施した。情報通信研究機構の協力を得てFM-CWアイオノゾンデを酒田市を含む東北地方3ヶ所に設置して更に大きなネットワークを形成して観測を行った。 2.FERIX観測成果の解析を進め、F領域FAIエコーが出現するときに、同一磁力線で結ばれたE領域においてFAIエコーの形状が大きく変化し、両者が同じ方向に水平移動することを明らかにした。 3.インドネシアの赤道大気レーダー(EAR、磁気的南緯10度)、同サイトにある大気光イメージャ、情報通信研究機構がEARサイトを含む南北半球で運用中のFM-CWアイオノゾンデ・ネットワークのデータ解析から、低緯度FAIの空間構造について研究を進め、F領域FAIの出現が日没前後のF領域電離圏の高度変動と密接に関連することを明らかにした。またF領域FAIの出現と同時にE領域FAIが抑圧される現象について、電界によるE/F領域カップリングで説明できることを明らかにした。 以上の成果は、E/F領域相互作用の重要性を観測的に明らかにしたもので、本研究はその目的を果たした。
|