研究課題
有害遺棄物からなる人工地層中の地下空気汚染の挙動を測定するために、市原市妙香の産業有害遺棄物処分地に汚染地下空気観測用の地質汚染危機管理観測システムを設置した、遺棄物層は地表面下4.58m〜0.66mに存在する。2.47m〜2.96m間に難透過層の遺棄物が存在する。この難透過層より上半部に、2枚の半難透過層が挟在する。そして、遺棄物層下半部基底と難透過層との直上の透水性に関する物性的同一地層単元に地下水位観測孔スクリーンをそれぞれ設置した。また、下半部には3本の地下空気汚染観測孔、上半部には半難透過層を挟んで、透気性に関する物性的同一地層単元に5本の観測孔を設置した。測定にあたっては、地上に差圧計・流量計・温度計を設置し各地下空気汚染観測孔内の深度別差圧・深度別流量およびVOCsなどの地下空気汚染濃度の測定をも実施可能に準備している。また、地下空気流動と地下水位変動の関わりの測定も可能にした。現在までの観測結果:地面を境界とする直接の地下空気の流出入量を1秒間隔で測定すると、3秒から6秒周期の短周期の流入が認められ、その際には流出の周期が短い。地下と地表間の流出入量は、面積が80cm×80cmで深さ3cmといった大きな缶を蓋とした上底中央部にある管からのものである。また、地質汚染危機管理用観測システムを2004年台風22号が直撃した、この低気圧時には、1.1mの観測孔で長周期で振幅が大きい地下空気圧変動があった。つまり、大地には呼吸と深呼吸があるようである。
すべて 2004
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第14回環境地質学シンポジウム論文集 第14号
ページ: 211-214