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2004 年度 実績報告書

湖沼堆積物に基づく古環境変動の高精度解析-中部山岳地域を例として-

研究課題

研究課題/領域番号 15340168
研究機関信州大学

研究代表者

公文 富士夫  信州大学, 理学部, 教授 (60161717)

研究分担者 三宅 康幸  信州大学, 理学部, 教授 (70200144)
福島 和夫  信州大学, 理学部, 教授 (20106602)
キーワード古気候変動 / 有機炭素含有量 / 高野層 / 最終間氷期 / MIS 5 / 指標テフラ / 氷期 / 古環境
研究概要

善光寺地震で形成された涌池の堆積物を採取し,有機炭素(TOC)含有量の年代変化と長野気象台における120年間の気象記録との相関を調べたところ,年最低気温および年平均気温との間に有意な相関が認められた.
長野市信更町に分布する高野層についてオールコアボーリングを実施して,54.4mの柱状試料を採取した.試料の回収率は99%ほどあり,おもに均質なシルトから構成されていた.ATの直下付近からAso-2までにいたる広域テフラが含まれていることが判明した.このことから,高野層が最終氷期の前半から最終間氷期以前にまで遡る連続的な試料であることが確認された.このような優れた試料であったので,全国の研究者に呼びかけ,最終間氷期の気候変動に焦点を当てたワークショップを開催した.ワークショップの参加者を中心として共同研究を組織し,試料の計画的な配分を行うとともに,有機炭素や有機物,リグニン,花粉組成,有機炭素,テフラなどの諸側面から,古気候変動を解明する計画が立案され,実行に移された.公文の研究グループは,全層準にわたって3500個以上のTOC分析をおこない,MIS 3からMIS 6にいたる気温変動を詳細に明らかにした.その気温変動は50cmおきに分析した花粉組成からも支持されることがわかった.テフラの予察的な分析からは,DKP,Epm,Pm2B,Ata,Dpm,SK,Aso-2などの広域テフラが含まれることが確認された.今後,これらのテフラを鍵として他地域との詳細な対比を行うことによって,高野層の資料を日本列島における古気候変動のひとつの「標準」とすることができる見通しを得た.
富栄養湖である諏訪湖についても採取した柱状試料にもとづいて堆積過程や堆積速度の解明を進めるとともに,過去百年間の気候変動が,TOC含有量に反映していることを確認できた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Estimation of source and inflow of dioxins and poly-cyclic aromatic hydrocarbon from the sediment core of Lake Suwa, Japan.2005

    • 著者名/発表者名
      Ikenaka, Y., Eun, H., Watanabe, E., Kumon, F., Miyabara, Y
    • 雑誌名

      Environ.Pollution in press

  • [雑誌論文] 湖沼堆積物に基づく古気候変動の研究2005

    • 著者名/発表者名
      公文 富士夫
    • 雑誌名

      地球科学 59,(2)

      ページ: 130-143

  • [雑誌論文] 信州,木崎湖における最近の堆積物の年代と堆積速度2004

    • 著者名/発表者名
      公文富士夫, 田原敬治, 山本雅道
    • 雑誌名

      信州大学山地水環境教育研究センター研究報告 No.3

      ページ: 77-84

  • [雑誌論文] 湖底堆積物から見た諏訪湖における汚染物質の集積過程2004

    • 著者名/発表者名
      公文富士夫, 池中良徳
    • 雑誌名

      第14回環境地質学シンポジウム論文集 No.14

      ページ: 323-328

  • [図書] 堆積物と堆積岩2004

    • 著者名/発表者名
      保柳康一, 公文富士夫, 松田博貴
    • 総ページ数
      171
    • 出版者
      共立出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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