研究課題/領域番号 |
15340172
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (40207650)
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研究分担者 |
塚本 すみ子 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30275010)
鈴木 毅彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60240941)
蜷川 清隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80098590)
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キーワード | ESR / TL / OSL / 年代測定 / 第四紀 / テフラ / 環境放射線 / 石英 |
研究概要 |
電子スピン共鳴(ESR)法、熱ルミネッセンス(TL)法、光刺激ルミネッセンス(OSL)法による年代測定は、共通の測定原理を持ち、放射性炭素法の測定範囲を越えた年代が求められるため、第四紀の年代測定法として注目されてきた。しかし、現在ではこれらの年代測定法は、信頼に足る第四紀の年代測定の方法として定着しているとは言い難い。 本研究では、信号のリセット(年代の開始時点)の機構が、加熱ということではっきりしており、これら3つの方法が共通して適用でき、さらに第四紀の編年上重要な意味合いを持つテフラの年代測定を、これらの方法によって行う。そして得られた年代値の相互比較、及び他の放射年代値とのクロスチェックにより、これら3つの年代測定の問題点と適用限界を明らかにし、これらの年代測定法を、信頼できる第四紀の年代測定の方法として確立することをめざす。 これまでに、銭亀-女那川テフラ、芝原テララ、白河天栄テフラ、白河西郷テフラ、男体七本桜テフラ、池田湖テフラ、姶良丹沢テフラのうち入戸火砕流、姶良深港テフラ、姶良岩戸テフラ、鬼界葛原テフラ、阿多鳥浜テフラ、九重第一テフラ、九重飯田テフラを採取した。現在、試料から石英を抽出作業中であり、抽出後ESR、TL、OSL法によって被曝線量を測定する。また、年間線量率を求めるために、低バックグラウンド純Ge半導体ガンマ線分光装置によって自然放射性核種の定量作業を進めている。 以前に入手済みの神津島高処山溶岩中の石英については、紫外および赤色領域のTLとOSLの測定を行い、赤色TLのみが、既存の放射性炭素年代と一致する年代という結果が得られた。また、赤色領域のTL測定に関しては、熱赤外によるバックグラウンドを抑えるために、TL測定の際に試料を通常のように高温(500度)にせず、一定温度に保って測定するisothermal TLにより測定するとよいことがわかった。
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