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2004 年度 実績報告書

巨大直接剪断試験機によるすべり核形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15340173
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

坂口 有人  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (80304666)

研究分担者 氏家 恒太郎  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (40359188)
加藤 愛太郎  東京大学, 地震研究所, 助手 (20359201)
横山 俊治  高知大学, 理学部・自然環境科学科, 教授 (20325400)
橋本 善孝  高知大学, 理学部・自然環境科学科, 助手 (40346698)
キーワード摩擦挙動 / すべり核 / 地すべり / 断層 / 間隙水圧
研究概要

地震発生の直前に震源断層深部では準静的なすべり核が成長発達して、そして動的破壊へと至るものと一般に推測されている。しかしすべり核の成長過程における剪断帯の構造発達過程、間隙水圧変化などはよくわかっていない。そこで地すべり地帯を巨大な剪断試験機に見立てて、すべり核の動態およびすべり面の物質解析を行う。
高知県吾川郡吾北村打木の地すべり地帯を対象に、精密動態観測及びすべり面コア採取を行った。この地すべり地帯は、通常は停止しており、高降雨時に約数mm〜数cm移動するパターンを繰返している。この活動時間中に逐次どのような変動があるのかを知るために、2004年7月の高降雨時に孔内傾斜計および孔内水位計によって精密動態および間隙水圧変化観測を実施した。そしてすべり面の物性・組織状態を知るために、降水直後にボーリング採取を行った。その結果、降雨数時間後に地下水位の上昇が始まり、地すべり地塊中腹部の観測孔は、すべり面付近が間隙水圧の上昇に伴ってダイレータンシーを引き起こし、その後すべり面粘土層下部が48時間以上かかって約5mm移動したことが観測された。これはすべり核がダイレータントから始まり、歪みの局所化へと発達していくことを示している。同様の活動パターンは昨年度にも観測にされたが、同じ地点が繰り返し同じすべりパターンを繰り返していることが確認された。
掘削試料はX線CT、γ線分析、物性分析などを行った。同じ地点を間隙水圧が低い定常期にも掘削してあり、今回の間隙水圧が高い時の試料と比較した。その結果、約40cmのすべり粘土層のうち上半分がキャップロックとして働き、下位層の含水率が定常期の2倍近く増加していたごとがわかった。
天然の岩盤におけるすべり核の組織と物性の発達過程の観測に成功した貴重な例となるであろう。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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