研究課題/領域番号 |
15340184
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山岸 晧彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70001865)
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研究分担者 |
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00253295)
小暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50282728)
梅村 泰史 防衛大学校, 応用科学群, 助教授
仲 一成 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30314727)
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キーワード | 生体鉱物 / LB膜 / 原子力顕微鏡 / ブルーサイト層 / 理論シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、気液界面において形成された単分子膜を鋳型にして鉱物の生成反応を行い、これによって生体内における鉱物の生成機構をあきらかにすることを目的としている。そのために各種の陽イオン性分子膜を用いて、マグネシウム水酸化物(ブルーサイト)を生成させた。得られたブルーサイト薄膜をラングミュアー・ブロジェット法によってシリコン基板上に累積し、その構造を各種分光法によって解析した。とくに、生成の各過程において累積した膜の表面を原子間力顕微鏡を用いて観察した。その結果、鋳型として用いる分子膜としては両親媒性スルフォン燐が最も効率よくブルーサイトを生成することがわかった。これは、スルフォン酸基にマグネシウム(II)イオンが配位してその後の重合がすみやかに起こるためであると考察した(山岸、梅村)。 またこれと並行して、鉱物生成における不斉(キラリティ)の効果を明らかにするために、キラルな結晶をつくるといわれているカオリナイト微結晶の走査型電子顕微鏡(SEM)による結晶構造と形態との関係を明らかにする研究をおこなった。すなわち結晶性が極めてよいとされているかカオリナイト結晶を用いて、多数の結晶についてその形態および結晶方位の解析を行った。その結果、数個に微結晶にについて、構造不斉の可能性があり、エナンチオマーの数がだいたい1:1であることが見出された。これは、今まで推定の範囲にとどまっていたこの鉱物の不斉構造をはじめて明らかにした点で非常に価値があると思われる。このようなキラルなカオリナイトが実際に存在していたとすれば、その面で、有機物の選択的吸着や不斉合成が行われた可能性があることになる。まだ、現在に段階では、SEMによって見たカオリナイトが本当に不斉であるかどうかは確定できないので、現在カオリナイトのシリケート面とアルミネート面とを区別するためのより詳細な研究を進めている(村上、小暮)。 また、カオリナイトの示す多形の安定性を第一原理計算によって理論的に検討した(山岸、仲)。
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