研究課題
SPring-8の投影型X線マイクロトモグラフィー装置のさらなる改良をおこない、従来よりも高空間分解能(画素サイズ:0.20μm)広領域(2000x2000画素)での高速CT撮影が可能となった。標準サンプルを撮影することにより、CT再構成によって求められる物質の線吸収係数(CT値)の較正をおこない、CT像コントラストの定量的な議論を可能とした。また、FeのK吸収端(約7.1keV)付近のエネルギーでのX線高次光を除去するdetune法を確立した。これらを用いて、宇宙塵(惑星間塵、非溶融微隕石、宇宙塵スフェリュール)の撮影をおこなった。惑星間塵3次元外形のフラクタル次元は2.92-2.98となり、少なくとも一部はフラクラル的であることがわかった。惑星間塵と非溶融微隕石について、FeのK吸収端前後での撮影をおこない、差分法より定量的なFeの3次元分布を得ることに成功した。しかしながら、吸収端直上のエネルギーにおけるFeの濃集部からの蛍光X線に起因すると思われる像質の低下は、今後の課題である。また、宇宙塵スフェリュールの3次元外形がコンドリュールのものと定量的に類似しており、宇宙塵スフェリュールがコンドリュールと同様に高速回転していたことや、両者が同様のプロセス(おそらく衝撃波加熱)によって形成されたことが示唆された。結像型X線マイクロトモグラフィー装置について、昨年度問題となっていたフレネルゾーンプレートの安定性を解決し、惑星間塵の撮影をおこなった。個々の透視画像は極めて高分解な画像を得ることができたが、サンプルステージの回転にともなうサンプルの微動が、今回の超高分解能撮影では致命的な影響を与えることが判明した。現在、サンプルの微動を補正したCT再構成法を開発中である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
American Mineralogist 90
ページ: 132-142
J.European Ceramic Society (in press)
Meteoritics and Plantary Science 39
ページ: Suppl.A107
American Mineralogist 89
ページ: 1304-1312
Jour.Contaminant Hydrology 74
ページ: 253-264
月刊地球 26
ページ: 647-652