研究課題
基盤研究(B)
惑星間塵・非溶融微隕石などの宇宙塵やNASAのスターダスト計画によって採取された彗星塵サンプルについて、大型放射光施設であるSPring-8においてX線マイクロトモグラフィー装置を用いてその3次元構造を明らかにした。X線拡大光学系やサンプルステージなどの安定性の問題を克服することにより、吸収コントラストを用いた結像トモグラフィーによって最終的に100nm以下の超高分解能での3次元構造を得ることができた。サンプルやその目的によっては、投影トモグラフィーを用いた研究(空間分解能は0.5μm程度)もおこなった。得られた宇宙塵の3次元構造を解析することにより、密度や空隙率などの物性を求めることができ、小惑星のバルク密度との比較をおこなった。また、フラクタル次元を、その3次元構造から求めることにも成功した。これによると、彗星起源と考えられるもののフラクタル次元は有意に3より小さく、太陽系形成時における構成粒子の合体の痕跡を残しているのかもしれない。スターダスト・サンプルの分析は国際初期分析チームの一員としておこなったものであり、エアロジェル中の衝撃トラックと捕獲された彗星塵の3次元構造をそれぞれ投影および結像トモグラフィーにより求め、後の詳細破壊分析のための基礎データを得るとともに、その衝撃プロセスを明らかにすることができた。さらに宇宙塵の赤外天文観測と関連して、宇宙塵構成鉱物の赤外吸収スペクトルの実験的研究もおこない、総合的に宇宙塵研究をおこなった。また、本研究を進めるにあたって、SPring-8に設置された吸収トモグラフィー装置の開発・性能評価をおこなった。とくに、CT像コントラストの定量的な取り扱いや、これをもとに差分法を用いたFeやCsの3次元元素組成マッピングの手法を確立した。さらに、これらの成果を宇宙塵だけでなく隕石などの地球外試料や、その他の試料にも応用した。
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