研究分担者 |
吉田 善章 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80182765)
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
三戸 利行 東京大学, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
柳 長門 東京大学, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
岩熊 成卓 九州大学, 工学部附属超伝導システム科学研究センター, 助教授 (30176531)
|
研究概要 |
二流体緩和理論に基づく超高ベータプラズマの探求をめざして,高温超伝導コイルを磁気浮上させた内部導体装置Mini-RTで,ECH実験を行っている.当初は高温超伝導コイルを支持脚でサポートした状態で実験を行っていたが,本年度から磁気浮上状態でのプラズマ実験が可能となった.コイルが支持された状態では,ガス圧1×10^<-2>Pa以上でないとプラズマが着火しなかったが,浮上コイル状態では,1×10^<-3>Paの低ガス圧でのプラズマ実験が可能となった.コイルを支持した状態では,ECHで加速された高速電子が支持脚に衝突し消滅するため,プラズマ放電条件の維持が厳しかったためと考えられる.このような低ガス圧での実験が可能となったため,プラズマの電離度は数十%まで向上し,中性ガスとの衝突等の効果が十分小さく抑えられるようになった. プラズマの密度測定として,4mmのマイクロ派干渉計を設計・製作した.プローブにより空間スキャンして測定した密度分布と線積分された干渉計により測定された密度を比較した結果,大変良い一致が見られた.支持状態および浮上状態でのプラズマ密度の測定を行った結果,支持状態では(6-7)×10^<16>m^<-3>であったものが,浮上状態では,、2×10^<17>m^<-3>まで上昇した.しかもこの密度は2.45GHzの高周波に対する遮断密度(7.4×^<16>m^<-3>)より明らかに高く,EBW等へのモード変換の可能性も示唆している. 二流体緩和理論による超高ベータプラズマ研究では,高速のプラズマ流を駆動する必要がある.ここではECHにより高エネルギー電子を生成し,その一部を軌道損失でロスさせることで生成される径電場を利用してE×Bにより高速プラズマ流を発生させようとしている.今年度の研究により,低ガス圧でプラズマ着火が可能となったことより,ECHで高エネルギー電子を生成させる条件に近づいたと言える.
|