| 研究概要 |
1.宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部(ISAS/JAXA)の高密度磁化プラズマ発生装置(内径74cm,長さ486cm,最大磁場強度2kG)をフラット・スパイラル・アンテナ(直径43cm,4ターン)の使用により世界最大体積のヘリコン・プラズマを生成可能な"大容量-高密度ヘリコン・プラズマ源"に改造した。
2.この装置のヘリコン放電効率は著しく高く、Arの場合〜500W(Heの場合【less than or equal】2kW)の入力rfパワーで10^<12>cm^<-3>を超えるプラズマ密度を持つプラズマを生成可能である。
3.ISAS/JAXAの装置では、アンテナ付近の磁場の不均一性や、アンテナからの電磁放射パターンを変えることにより径方向プラズマ密度分布を制御可能である。
4.大振幅低域混成波実験に特化したヘリコン・プラズマ装置(低域混成波ソリトン発生装置;内径20cm,長さ100cm,最大磁場強度0.6kG)を東海大学に設置した。特別に設計された分割型フラット多ループ・アンテナを放電、波動励起双方の目的に使用する。
5.ISAS/JAXAの装置では、バックグラウンド・プラズマ中に予め用意された密度キャビティ内に、磁力線方向に十分長いグリッド・アンテナを用いて、低域混成波のキャビティモードの励起を試みた。通常の線形波と異なるモードが励起されたが、密度キャビティに対応する固有モードであるかどうかは未確認である。
6.東海大学の装置では、外側のループ・アンテナに放電用とは異なる高周波を短いパルスで印加することにより大振幅低域混成波を励起する実験を開始した。大振幅波励起に向けよい感触を得ている。
7.今後、大振幅低域混成波が変調不安定性を通して密度キャビティを自発的に生成する過程を明らかにし、低域混成波ソリトンによるイオンのクロス・フィールド加速の検証実験にまで進める計画である。
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