研究課題
最近、LSIなどの電子デバイスにおける大容量化、高速化、低消費電力化に対する要求が強く、0.1ミクロン以下の超微細加工や、配線遅延を低減するために低誘電率材料(Low-K材)などに関連した技術開発が進んでいる。これらの微細加工やLow-K材の薄膜形成のために現在プラズマがよく用いられているが、所望の特性を得るには至っておらず、プラズマ内部の諸現象の理解とそれを踏まえた上でプロセスに適したプラズマ制御に対する指針を得ることが、それらの問題を解決するために不可欠な緊急の課題となっている。本研究では、膜堆積を伴うフロンプラズマなどでの絶対電子密度計測が可能なプラズマ吸収プローブをベースに工夫を凝らし、これまで困難とされてきた電子温度も同時に測定できるような新型のプラズマ吸収プローブを開発する。さらにここで開発した技術を膜堆積が伴うプロセスプラズマに適用して、プロセスの高性能化に資する基礎データを得ることを目的とする。今年度は、まず、プラズマ吸収プローブを用いた電子密度・電子温度の同時測定法において、プラズマCVD装置で用いられるプラズマパラメータ、特に高圧力および低密度環境下での基本特性を調べ、CVDプラズマへの本計測法の適用について検討したところ、圧力が数Torr程度、かつ密度が10^<10>cm^<-3>程度であれば、十分に適用できることがわかった。その結果を受けて、実際の平行平板型Low-k材成膜用プラズマCVD装置の電子密度・電子温度の同時計測を行ったところ、いずれも妥当な値を得ることができた。一方、そこでの知見から、派生的に、ガラス管で被覆した表面波プローブの特性向上の指針を見いだしたり、Low-k材成膜用プラズマ以外のプラズマ源でもプラズマパラメータの計測も行い、そこでの実験結果をサポートすることができた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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