研究課題
基盤研究(B)
JT-60など大型トカマクプラズマで観測された電流ホールの自己形成に関する機構を解明するため、本年度は以下の様な研究を行った。1)輸送物理モデルの構築、輸送シミュレーションコードの改良・開発:電流ホールプラズマを想定した3磁気軸平衡モデルおよび内部輸送障壁モデルを輸送シミュレーションコードに導入し、実形状プラズマでの平衡発展を解析可能とする輸送シミュレーションコードの開発を行った。これを用いて、JT-60実験を良く再現する初期的結果を得て、電流立ち上げ時に発生する電流ホールと内部輸送障壁の相互作用に関するプラズマ特性の解明に着手した。2)プラズマ流効果を持つ磁気流体シミュレーションコードの開発:電流ホールプラズマにおいては、負の電流密度によりn=0モードが不安定となる可能性があり、m/n=1/0モードとプラズマ流により、定常な解が存在する可能性を理論的に示し、磁気流体シミュレーションコードの開発を進めた。3)磁気流体平衡、安定性解析コードの改良電流ホールを想定して、ホール部分に微小な正の電流密度ある場合の磁気流体平衡解析を可能とする計算コードの改良を行い、JT-60Uや核融合炉(VECTOR)を想定した平衡解析を行った。また、この平衡データを基に、MHD安定性解析を行い、電流ホールプラズマでのβ限界特性を明らかにした。4)研究調査および成果発表:得られた研究成果は、ヨーロッパ物理学会(EPS)に2件、IAEA主催Hモード・ワークショップに2件発表を行うと共に、IEA大型トカマク・ワークショップを電流ホールをテーマに開催し、電流ホール形成における自己組織化などの実験および理論シミュレーション研究について討論・調査を行った。
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