研究課題/領域番号 |
15340205
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
岡田 憲志 京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
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研究分担者 |
吉村 喜男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 名誉教授 (50013397)
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
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キーワード | QCD / ハドロニック原子 / シンチレーティングファイバー / カイラル摂動 / トポロジカルトリガー / ππ散乱長 / π^+π^-原子 / PSPM |
研究概要 |
1.2003年度は5月20日から9月7日まで、上記5名研究者で延べ約140日間にわたりCERNでのDirac実験(PS212)に参加した。8μm厚12層のマルチレーヤーTi標的を含む複数の標的を用いπ^+π^-原子の寿命測定データの取得を行った。総厚みが同じ単層標的と多層標的のデータの差を取ると、クーロン対やバックグラウンドの影響のない純粋にπ^+π^-原子の標的中での解離事象だけが観測することができる。 2.2000年度から2002年度までのデータ解析の結果、求められたπ^+π^-原子の寿命の統計精度は14%程度であり、QCDの検証に必要とされる精度10%は今年度取得したデータの解析によって達成される予定である。これは、π粒子の散乱長の精度にして5%に対応する。現在2002年度までの結果を投稿中である。 3.Dubnaのグループと協力して、ADCとTDCが一体化した読み出し回路を設計試作した。2004年度テストビームを申請し、この回路系のテスト実験を行う。 4.現在前方のトリガー・トラッキング用検出器として日本グループが開発したシンチレーティングホドスコープを1.5m後方に下げ50%のスケールアップを行う準備としてマルチアノードフォトマルの購入とテスト計測用PCとインターフェース回路の整備を行った。 5.このπ^+π^-原子の寿命測定の発展として、π^+π^-原子のより精密な測定とπK原子の寿命測定を計画しているが、現在日本で建設中のJ-PARKにLOIを提出し採択された。今後CERNとJ-PARKでこの研究の発展を図る。
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