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2005 年度 実績報告書

クラスターを媒体とする新規な負イオン化学の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 15350006
研究機関東京大学

研究代表者

永田 敬  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10164211)

研究分担者 井口 佳哉  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30311187)
キーワード気相負イオン反応 / クラスター負イオン / 赤外光解離分光 / ab initio計算 / 角度分解光電子分光 / 原子価負イオン / 共溶媒効果
研究概要

本研究は,気相の分子集合体(分子クラスター)が電子をトラップする性質や,柔らかい構造によって容易に分子を取り込む性質をもつことを利用し,分子クラスターをミクロなフラスコとして用いる新規な気相負イオン反応を開発することを目的としている.本年度は以下の研究を行った.
1.赤外分光による(CO_2)_n^-(ROH)_mの評価:赤外光解離分光を用いて(CO_2)_n^-(ROH)_m(R=H,CH_3)の振動構造を調べ,高精度ab initio計算を併用して,ラジカル負イオンを含むミクロフラスコとしての(CO_2)_n^-(ROH)_mの構造を明らかにした.特に,(CO_2)_n^-(H_2O)の系ではn=4を境に水和構造が劇的に変化することによって・CO_2^-を選択的に安定化するエントレーナー(共溶媒)効果を見出した.
2.(CO_2)_n^-のラジカル付加反応の追跡:ビーム・エントレインメント法と質量分析法,負イオン光電子分光法を併用し,(CO_2)_n^-の気相反応を調べた.その結果,(CO_2)_n^-が・CO_2^-ラジカル負イオンの等価体として効率よくNO, O_2に付加反応して分子負イオンO_2CNO^-, O_2CO_2^-を生成することを見出し,さらに高精度ab initio計算を用いて生成物イオンの構造を推定した.
3.多成分溶媒和クラスターの電子束縛状態の解明:昨年度に開発した二次元画像観による角度分解光電子分光装置を用いて,(CH_3)_2CO, CH_3OH, H_2Oを含む混合クラスター負イオンの電子構造を調べた.プロトン性溶媒分子が必ずしも水素結合を介して負イオンを安定化させるのではなく,「複数の双(多)極子場によって安定化した原子価負イオン(valence anion stabilized by surrounding multi-dipoles)」を形成するという,イオンの溶媒和に関する新たな概念を実験的に検証した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Infrared photodissociation spectroscopy of [Al(NH_3)_n]^+ (n=1-5) : Solvation structures and insertion reactions of Al^+ into NH_32006

    • 著者名/発表者名
      Y.Mune, et al.
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters 419

      ページ: 201-206

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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