研究課題/領域番号 |
15350007
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 晴之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90251363)
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研究分担者 |
渡邉 祥弘 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (20315055)
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キーワード | 電子状態理論 / 大規模系 / 電子相関問題 / インターフェース系 / 相対論的効果 / 多配置摂動論 / 相対論的基底関数 / CASVB法 |
研究概要 |
本研究は、大規模系の精密電子状態理論の開発とそのプログラムパッケージの開発を行い、大規模系として、特に、比較的小さな「分子部分」と環境を与える大きな「バックグラウンド部分」からなるインターフェース系に焦点を絞り、これまで精度良く扱うことの難しかった非経験的分子軌道計算を現実のものとすることを目的としている。今年度は、次の点に焦点を絞り、大規模系の相対論効果を含む定量的な分子軌道理論の開発、及び、そのアルゴリズムとプログラムコードの開発を行い、最終年度予定しているインターフェース系の分子軌道計算を行う準備を行なった。 1.相対論的多配置摂動論の開発 重金属を含む大規模分子系の構造、物性、および、反応を高い精度で記述するためには、電子相関と、それに加えて、相対論的効果を高度に取り込むことが必要である。これまで、開発した多配置摂動論MC-QDPT法を相対論的四成分ハミルトニアンに適用し、電子相関と相対論的効果をともに高度に取り入れる手法を開発した。 2.四成分相対論的基底関数の生成 相対論的効果を含む分子計算には、質の良い基底関数系が必要である。これまで開発したDirac-Fock法のプログラムを用いて、高精度の四成分相対論的基底関数を生成した。 3.CAS-VB法とab initio分子動力学を用いた反応過程における化学結合の記述 CAS-VB法は、CAS-SCF法の精度を落とすことなく分子の波動関数をVB共鳴構造に変換する方法である。これまでの研究により、静的な状態での結合は定量的に解析できることが明らかになった。しかしながら、運動を伴いポテンシャルが大きく変化する動力学上の点での明確な結合描像が得られるか否かは自明ではない。 CAS-VB法とab initio動力学を組み合わせることで、動的な経路上で結合が記述できる手法の開発を行なった。
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