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2004 年度 実績報告書

強磁場によるキラリティー誘導の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15350016
研究機関広島大学

研究代表者

谷本 能文  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10110743)

研究分担者 藤原 好恒  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00209131)
藤原 昌夫  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00199390)
勝木 明夫  信州大学, 教育学部, 助教授 (70283223)
キーワード磁場効果 / キラリティー / ケミカルガーデン反応 / シリケートガーデン反応 / キラリティー誘導 / ローレンツ力 / MHD機構
研究概要

自然界におけるキラリティーの起源と関連して、磁場によるキラリティー誘導の研究は古くから注目されている研究のひとつであるが、これまでその可能性を明快に示した研究はなかった。本研究は、このような従来の常識にチャレンジした研究である。
本研究では、ケイ酸ナトリウム水溶液と重金属塩の反応(ケミカルガーデン反応)により生成する半透膜チューブの3次元形態的キラリティーが最大15Tの磁場により誘導できるかどうかという研究を中心に研究を行った。塩化マグネシウム結晶を入れたガラス容器(内径約6mm)にケイ酸ナトリウム水溶液を加えると半透膜チューブが生成する。磁場の無いときチューブは垂直上方に成長してゆくが、15Tの垂直磁場中では壁に沿って右巻き螺旋状に成長した。また磁場の向きを逆にすると左巻き螺旋状に成長した。容器の中に直径2mmのガラス棒を立てると、棒の外壁に沿って左巻き螺旋状にチューブは成長した。さらに、容器の内壁から離れたチューブは磁場中では左巻きにねじれて成長した。これらの結果は、Boundary-assisted MHD機構により説明される。キラリティー誘導のメカニズムを更に詳細に検討するために反応中の溶液の運動の磁場中その場観察を試みた。反応中の水溶液に磁場を印加した場合に限り顕著な対流(流速0.2-2mm/s)が観測された。これらの結果からBoundary-assisted MHD機構によることが実験的に確かめられた。
さらに、ケミカルガーデン反応一般にキラリティー制御が可能なこと、条件を選べばイオンを含む溶液の液体・固体反応一般にも応用可能なことなどが解明された。以上、Boundary-assisted MHD機構による3次元形態的キラリティーの磁気誘導という新しい概念によるキラリティー誘導法を確立することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The magnetic orientation of 2-dimensional silver dendrites2005

    • 著者名/発表者名
      A.Katsuki, I.Uechi, Y.Tanimoto
    • 雑誌名

      Bulletin of Chemical Society of Japan 78(in press)

  • [雑誌論文] Precession of silver dendrites in the magnetic field2005

    • 著者名/発表者名
      A.Katsuki, Y.Tanimoto
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 34(in press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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