研究概要 |
1.屈曲3原子分子であるNO_2のN1s電子のイオン化断面積を、対象性を分離し、さらに放出光電子の多重項も分離して測定することに始めて成功した。理論計算との比較によって、多重項の違いによるポテンシャルの変化が今まで考えられていたものより小さいことがわかった。[Pbys.Rev.A,70,062724(2004)] 2.4原子分子であるHCCHのC1s電子をπ^*軌道に励起したときに、分子の変形する様子を観測した。H_2分子が、この励起状態から、シス型変角振動モードによってのみ生成されることを発見した。[Chem.Phys.Lett.,394,295(2004)] 3.15年度に製作した2段のスキマーと2段差動排気を備えたサブミリ超音速分子ビーム源および、光電子・イオン同時計測運動量イメージ測定用のアナライザーを、SPring-8において動作テストを行った。 4.15年度に作成したマルチヒット超高速時間計測システムと上記装置を組み合わせることによって、COのC1s光電子の振動を分離した角度分解光電子スペクトルを分子座標系で測定することに成功した。[J.Electron Spectrosc.Relat.Phenom.142,183(2004)] 5.CO_2のO1s電子を5σg形状共鳴にイオン化したときの光電子放出の角度分布を、分子座標系でかつ振動を分離して測定することに初めて成功した。 6.Arダイマーの2p光電子の角度分布を分子座標系で測定することに成功した。[J.Phys.B 37,L235(2004)]
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