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2003 年度 実績報告書

微小空間の特性を利用する不斉光化学反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15350026
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

水野 一彦  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10109879)

研究分担者 前多 肇  大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40295720)
キーワード微小空間 / 不斉誘導 / マイクロリアクター / ゼオライト / 光環化付加反応 / ポリジメチルシロキサン / シアノナフタレン / エナンチオ選択性
研究概要

不斉光化学反応および高効率・高選択的な新規光化学反応の開発を目的とし、微小空間を反応場とする光化学反応について研究を行ない、以下の知見を得た。
(1)マイクロリアクターの特性を利用した分子内光環化付加反応の効率および選択性の制御について検討した。ポリジメチルシロキサンで作成した流路幅0.3mm、深さ0.05mm、流路長45〜202mmのマイクロリアクターにシアノナフタレンとアルケンを分子内で連結した化合物のアセトニトリル溶液を流速0.03〜0.05mL/hで流しながら光反応を行なったところ、バッチシステムで行なった反応に比べて圧倒的に短時間で、かつ高選択的に分子内光環化付加体が生成した。また、流路長や流速によって反応効率と選択性を制御できることを明らかにした。さらに、不斉補助剤を溶媒に溶解させた状態でマイクロリアクター内を流す方法およびマイクロリアクターを作成する段階でポリジメチルシロキサンに不斉補助剤を混入する方法により光反応を行なったところ、最大2.0%eeのエナンチオ選択性が発現することを見い出した。
(2)不斉炭素をもつアミノアルコールなどのキラル化合物を担持させたゼオライト細孔内において、シアノナフタレンとアルケンをエーテル鎖で連結した化合物の分子内光環化付加反応を行なったところ、最大15.4%のエナンチオマー過剰率で光環化付加体が生成した。また、この生成した(2+2)光環化付加体のエナンチオマーの分割に成功した。また、キラル化合物の構造、ゼオライトの組成、シリカ/アルミナ比、カチオンの種類を変えることによってエナンチオ選択性を制御できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Maeda, S.Nishioka, K.Mizuno: "Regioselective Photoaddition of Alcohols to 1,2,3-Butatriene Derivatives via Photoinduced Electron Transfer"Tetrahedron Lett.. 44・35. 6601-6603 (2003)

  • [文献書誌] H.Maeda, H.Nakagawa, K.Mizuno: "Enhancement effect of Mg(ClO_4)_2 on TiO_2-catalyzed photooxygenation of 1,2-diarylcyclopropanes"Photochem.Photobiol.Sci.. 2・11. 1056-1058 (2003)

  • [文献書誌] H.Maeda, H.Yagi, K.Mizuno: "Intramolecular (2π+2π) Photocycloaddition of Styrenes Tethered by Siloxanes"Chem.Lett.. 33・4. 388-389 (2004)

  • [文献書誌] 水野 一彦 他: "先端化学シリーズII, 電気化学、光化学、無機固体、環境ケミカルサイエンス"丸善株式会社. 330 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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