研究課題/領域番号 |
15350035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三吉 克彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60033924)
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研究分担者 |
久保 和幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90263665)
水田 勉 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70221603)
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キーワード | リンヘテロ環 / 歪み化合物 / リン架橋2核錯体 / ヘテロ2核錯体 / 触媒反応 / チタノセン |
研究概要 |
フェロセンの2つのCp環をPPhで架橋した配位子(1)とナフタレンの1,8位をPN^iPr_2で架橋した配位子(2)を合成した。これらの高歪み環状リン配位子をW(CO)_5に配位させた錯体に対して、PtL_2(L=PPh_3)フラグメントを反応させると、環状のリンヘテロ環に白金フラグメントが挿入した錯体が得られた。環にフェロセンを含む系では環構造がフレキシブルとなり、タングステンフラグメントと白金フラグメントが同時に基質と相互作用して、基質を活性化する反応が見られた。一方、ナフタレンが環の骨格に組み込まれた系では、そのような反応性を示さなかった。これは、後者の環構造が剛直になるため、タングステンと白金の相互の位置が、基質を活性化するのに適した配置へと変化できないためである。 一方、P=O二重結合が2つのメタルを架橋した2核錯体の合成と反応性についてのプロジェクトでは、新規なキレート配位子としてPh_2PCH_2Ti(Cp)_2OPPh_2を合成した。この配位子にはキレート鎖にTi-O-Pが組み込まれている。このキレートをPdに配位させると、形式的にはTiとPdがO=Pで架橋された錯体が、合成できた。このTi-Pdヘテロ二核錯体を用いて、末端アルキンのヒドロホスフィニレーションを行ったところ、リン官能基が同時に2つアルキンに導入されるという、新しい反応パターンを見出すことが出来た。通常のPd単核の錯体を触媒に用いるとリン官能基はアルキンに1つしか導入されないことから、この新しい反応には、二核構造に由来する新しい反応機構が関与していると推定され、現在検討しているところである。
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