• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

ケイ素-遷移金属錯体の合成、構造、反応性および触媒反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15350037
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

島田 茂  独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 主任研究員 (40357207)

キーワードケイ素 / 遷移金属錯体 / 白金 / パラジウム / ニッケル / ヒドロシラン
研究概要

本年度は、3つの課題を主要課題として検討を開始したが、特に「非対称二座型ヒドロシラン1,2-C_6H_4(SiH_3)(SiMe_2H)1と10族遷移金属錯体との反応性の解明および分子間脱水素カップリング反応」において興味深い結果が得られたため、この課題に重点をおいて検討した。
ヒドロシラン1と0価パラジウム錯体とを1:1の比で室温で反応させると、予想された{1,2-C_6H_4(SiH_2)(SiMe_2)}Pd^<II>(R_2PCH_2CH_2PR_2) (2a:R=Me, 2b:R=Et)を与えた。この錯体の熱的反応性はホスフィン配位子の立体的な嵩高さに大きく依存し、2bは溶液中160℃に加熱しても安定であったが、2aは、90℃程度で反応しSi-Si結合生成を伴う脱水素二量化が進行し二核パラジウム(II)錯体が高収率で生成した。これまで類似の10族遷移金属錯体では同様の現象は見いだされていない。さらに、2aと1とを1:1の比で反応させると、2aと1とがそれぞれ2分子ずつ反応し、5つSi-Si結合生成を伴った脱水素反応が進行し、1の環化二量体にさらに二分子の2aがSi-Si結合を介して連結したユニークな構造を有する二核錯体が高収率で生成した。一方、2bと1とを1:1の比で反応させた場合には、2bのSiH_2部位で1との間に2つのSi-Si結合が生成しスピロ環構造を有する単核錯体が高収率で生成した。さらに、2aから極めて興味深い構造を有する三核及び四核パラジウム錯体が生成することも見出した。このように、パラジウム錯体上では、脱水素カップリングによるSi-Si結合生成が極めて容易に進行し、ホスフィン配位子の立体的影響により様々な構造を有する錯体が生成することを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Group 10 transition-metal complexes with metal-silicon bonds derived from 1,2-disilylbenzenes and bis(2-silylphenyl)silane2006

    • 著者名/発表者名
      S.Shimada, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Coordination Chemistry Reviews 250(印刷中)

  • [雑誌論文] Reaction of 1-(Dimethylsilyl)-2-silylbenzene with Platinum(0) Phosphine Complexes2005

    • 著者名/発表者名
      S.Shimada, M.L.N.Rao, Y.-H.Li, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Organometallics 24

      ページ: 6029-6036

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi