研究課題
基盤研究(B)
本研究は,混合溶媒のミクロ溶媒クラスターへの溶質の分配に基づいて(1)新しい分離分析法の理論的基礎を確立し、(2)それを分析化学的に発展させることである。次の結果を得た。1.X線回折及び中性子小角散乱の実験により、水-ジオキサン混合溶媒あるいは水-アセトニトリル混合溶媒は、同じ溶媒分子が集合したクラスターを形成していることが分かった。2.塩化ナトリウムの共存によって、いずれの混合溶媒においても、Na^+イオ及びCl^-イオンの周りの水和構が発達し、水分子クラスターがアセトニトリルあるいはジオキサンクラスターの生成が促進された。3 マイクロシリンジポンプ、シリンジに接続し、それに、マイクロインジェクター、及びキャピラリーを繋いだ。検出には分光光度計の他に、電気化学検出器(含む データ処理装置)を接続した。4.カラムを用いないので保持容量が小さくなるので、ナノリットルのサンプルを供給できるようにT字スプリッターを作製した。nlの注入インジェクターのつくることに成功した。5.水-アセトニトリル混合溶媒を用いて、特別の分離化ラムがなくても、数種の有機物を注入すると、混合物は課が応物の電荷と極性に応じて分離された。6.塩化ナトリウムは、混合溶媒のミクロ構造の形成を促進するので、予想されるように、塩化ナトリウムの添加によって、分離能は増大された。7.モノリシックODSカラムを作りナノ粒子の分離を行った。51nmのナノ粒子の分離が可能となった。サイズ排除クロマトグラフィーとしての展開が可能となった8.国際会議および分析化学会で成果を口頭及び招待講演で発表した。
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