最近我々は、低温電解酸化により炭素カチオン蓄え、これに炭素求核剤を作用させることで炭素-炭素結合形成を行う「カチオンプール法」を見出した。本研究では、この反応をフロー法へと展開し、1.連続的な液相コンビナトリアル合成、2.複数のフロー型マイクロ電解セルの組み合わせるによる連続的な分子変換、3.異なる炭素活性種間のレドックス反応による相互変換、などへと展開することで、フロー型レドックスシステムを機軸とする集積型精密合成法の開発を目的とする。本年度は、フロー型の電解セルを用いて酸化を行うことで生成した炭素カチオンをすぐさま各種反応に用いるための「フロー型レドツクスシステム」を独自に開発した。システムのフローライン上にFT-IR測定装置を導入し、効率的な最適条件のスクリーニングを行った。具体的な反応としては、ピロリジンのカルバメートを基質として陽極酸化することで高反応活性なN-アシルイミニウムイオンを発生させ、これを炭素求核剤であるアリルシランと反応させることで、炭素-炭素結合を形成させる例について検討し、さらに、フロー系の特性を活かす試みとして、基質と求核剤をバルブ操作による流路の切り替えだけで組み合わせる"連続的な"液相コンビナトリアル合成を行った。また、炭素カチオンをレドックス反応によって還元することで炭素ラジカルへと変換し、これを用いたラジカル反応も開発した。
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