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2004 年度 実績報告書

金属アート錯体の特性を活かした新規アニオン重合開始剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15350071
研究機関愛媛大学

研究代表者

井原 栄治  愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243592)

キーワード金属アート錯体 / アニオン重合 / アクリル酸ブチル / リビング重合 / リビング重合 / 典型金属 / 遷移金属
研究概要

t-BuOKとiBu_3Alの反応により得られるAlのアート錯体[t-Buo(iBu)_3Al]^-K^+がアクリル酸t-ブチル(tBA)のリビングアニオン重合開始剤となることを見出した。この開始剤は-78℃から50℃という幅広い温度範囲において、分子量の非常に揃った(Mw/Mn<1.1)ポリ(アクリル酸t-ブチル)を定量的に与えた。50℃という高温においてtBAのリビング重合を可能とする最初の報告例である。MALDI-TOF-MSによるポリマーの末端分析の結果から、開始反応はAl上でiBu基からイソブテンの脱離を伴いながら発生したヒドリドの、モノマーへの求核反応であることを明らかにした。この開始剤によるメタクリル酸メチル(MMA)の単独重合の制御は不可能であったが、tBAの重合により生成する成長末端にMMAを加えることにより、非常に分子量の揃ったtBAとMMAのブロック共重合体を得ることができた。
ニオブ、モリブデン、タングステンのハロゲン化物にリチウムアミド、nBuLiを反応させて得られる遷移金属アート錯体を開始剤とするTHF中、-78℃でのMMAの重合が立体特異的に進行し、主鎖の立体構造が高度にイソタクチックに制御されたPMMAが得られることを見出した。例えば、五塩化モリブデンに3当量のiPrPhN^-Li^+と3当量のnBuLiを反応させて発生させたアート錯体によるMMAの重合では40%の収率でmm=98%のイソタクチックPMMAが得られる。この重合における高い立体選択性は、成長末端となるアミドやアルキル基の結合したアート錯体の構造が、成長反応に与える立体的な影響により発現しているものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] tBuOK/iBu_3Al as New Initiating System for Controlled Anionic Polymerization of tert-Butyl Acrylate and Methyl Methacrylate2004

    • 著者名/発表者名
      Eiji Ihara
    • 雑誌名

      Macromolecules 37・11

      ページ: 4048-4054

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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