研究課題/領域番号 |
15350090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 特殊法人日本原子力研究所 |
研究代表者 |
西畑 保雄 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・構造物性研究グループ, 副主任研究員 (90218181)
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研究分担者 |
上西 真里 ダイハツ工業(株), 材料技術部, 研究員
田中 裕久 ダイハツ工業(株), 材料技術部, 主担当員
水木 純一郎 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・構造物性研究グループ, グループリーダー (90354977)
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キーワード | 自己再生 / 触媒 / ペロブスカイト / 貴金属 / ガソリンエンジン / 排ガス / 放射光 / 時分割XAFS |
研究概要 |
アルコキシド法で作製されたペロブスカイト型酸化物LaFeCoPdOxはガソリンエンジンからの排ガスの酸素濃度の揺らぎを利用して自己再生し、高い触媒活性を維持する。SPring-8のBL01B1においてX線吸収スペクトルの微細構造(XAFS)を測定し解析した。酸化雰囲気中ではFe,Co,Pdは酸素八面体の中心(Bサイト)を占有している。還元雰囲気中ではPdは結晶外へ析出し金属微粒子になっており、Coも半数は析出していることが分かった。Feの電子状態および局所構造は変わらず、触媒結晶全体を安定に保つ役割を果たしている事が分かった。これらの金属の状態は酸化還元の雰囲気変化に対して可逆的変化を起こしている。安定なペロブスカイト母結晶中で主に貴金属の周囲のみが還元雰囲気下で不安定になるため、効果的に貴金属粒子のサイズが小さく維持され、触媒は高活性を保つものと思われる。 触媒試料中の貴金属の動的振る舞いを詳細に調べるために、SPring-8のBL28B2において、エネルギー分散型の時分割XAFS実験を試みた。石英ガラス管中に触媒試料を封入し、外部より赤外線を照射することにより加熱した。酸素、水素、窒素ガスをマスフローメーターにより混合し、雰囲気を切換えた。ガス流量と濃度を調整することにより、現実を反映するガスの空間速度下で、貴金属Pdの状態変化が適当な速度で起っていることが確認された。今後、更に良好なXAFSスペクトルを得るために、エネルギー分散型の光学系および計数システムを必要に応じて改良して行く予定である。
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