研究課題/領域番号 |
15350091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
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研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
斎藤 健 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40153811)
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キーワード | 内分泌撹乱化学物質 / PC12細胞 / アポトーシス / ビスフェノールA / ノニルフェノール / トリブチルスズ / Bax / Caspase |
研究概要 |
本研究においては内分泌撹乱化学物質の測定および困難とされる低減化システムを確立することを目的とした。本年度は、哺乳動物の細胞に内分泌撹乱化学物質のうちビスフェノールA、ノニルフェノールおよびトリブチルスズを曝露し、これら化学物質対しての細胞の応答を確認した。細胞は無血清培地でアポトーシスが誘導されることが知られているラット副腎髄質腫由来のPC12細胞を用いた。その結果、トリブチルスズは細胞に誘起させたアポトーシスを抑制し、ノニルフェノールは増強した。その際のアポトーシス関連因子の発現を見るとアポトーシス誘導因子であるBax、およびシトクロムCが変動していた。またそのアポトーシス状態を反映してアポトーシス実行過程にあるCaspaseの変動も確認された。現在Bax遺伝子およびCaspase遺伝子のクローニングを行なっている。また同時に、残留内分泌撹乱化学物質量を経時的にモニタリングすることを可能にするため内分泌撹乱化学物質によりその発現が誘導される転写因子あるいは薬物代謝酵素群であるCYP-450系遺伝子転写制御領域の下流にレポーター遺伝子(GFP)を結合したベクターを構築することを目的として。ラットゲノムよりCYP-450系遺伝子転写制御領域のクローニングを行ない、得られた遺伝子のシークエンスを行なっている。来年度は内分泌撹乱化学物質が存在するとその量を恒常的にモニタリングできるように、この遺伝子領域を用いてGFP(特異的な基質なしに蛍光を発する)遺伝子を結合したベクターを作製し、蛍光量をモニタリングすることにより、残存する内分泌撹乱化学物質量の測定が簡便に行えるシステム系を構築する予定である。
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