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2003 年度 実績報告書

新規機能性核酸の開発を目指した人工塩基対の創製

研究課題

研究課題/領域番号 15350097
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

平尾 一郎  東京大学, 先端科学技術センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (50173216)

研究分担者 森山 圭  東京大学, 先端科学技術センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (60345163)
三井 雅雄  東京大学, 先端科学技術センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (60345155)
キーワード人工塩基対 / 人工核酸 / 人工タンパク質 / 複製 / 転写 / 翻訳
研究概要

これまでに当研究室が開発した人工塩基対(2-アミノ-6-チエニルプリン:sと2-オキソピリジン:y)の転写効率を高めるために、sに代わる新たな人工塩基の開発を行った。そして、2-アミノ-6-チアゾイルプリン(v)とyの人工塩基対が、転写において、s-y塩基対と同程度の高い選択性を有し、さらに、天然型塩基対と同程度の高い転写効率を示すことがわかった。これにより、鋳型DNA中のvに相補して、効率良くRNA中に人工塩基yを部位特異的に導入することができるようになった。また、s-y塩基対では不可能であった2つのyを続けてRNA中に導入することも、v-y塩基対により可能になった。このように、s-v塩基対を用いて、RNAやタンパク質中に人工のコンポーネントを導入する手法を確立することができた。
v-y塩基対の開発により、転写でRNA中に人工コンポーネントを効率よく導入することが可能になったので、yの5位に種々の機能性置換基を持つ誘導体を化学合成し、これらのRNA中への取り込みを調べた。そして、5-ヨードy、5-フェニルエチニルy、5-ビオチン化yの三リン酸誘導体の合成に成功し、これを転写によりRNA中に部位特異的に取り込ませることができた。5-ヨードyは、光架橋化コンポーネントとして、多分子との相互作用の研究に、5-フェニルエチニルyは、RNAの高次構造の熱安定性の向上に、また、5-ビオチン化yは、RNAの固定化に、それぞれ利用できることを確認した。
複製においても機能する人工塩基対の開発研究は、天然型塩基を効率よく排除できる人工塩基の開発に専念した。そして、新たに開発した人工塩基の1つが、鋳型塩基として、天然型塩基の基質を効率よく排除できることがわかった。そこで、この人工塩基と塩基対を形成する可能性が高いと考えられる相補塩基のデザインを行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Endo, T.Mitsui, T.Okuni, M.Kimoto, I.Hirao, S.Yokoyama: "Unnatural base pairs mediate the site-specific incorporation of an unnatural hydrophobic component into RNA transcripts."Bioorg.Med.Chem.Lett.. (in press). (2004)

  • [文献書誌] M.Kimoto, M.Endo, T.Mitsui, T.Okuni, I.Hirao, S.Yokoyama: "Site-specific incorporation of a photo-crosslinking component into RNA by T7 transcription mediated by unnatural base pairs."Chem.&Biol.. 11. 44-55 (2004)

  • [文献書誌] T.Mitsui, A.Kitamura, M.Kimoto, T.To, A.Sato, I.Hirao, S.Yokoyama: "An Unnatural Hydrophobic Base Pair with Shape Complementarity between Pyrrole-2-carbaldehyde and 9-Methylimidazo[(4,5)-b]pyridine."J.Am.Chem.Soc.. 125. 5298-5307 (2003)

  • [文献書誌] T.Mitsui, M.Kimoto, A.Sato, S.Yokoyama, I.Hirao: "An unnatural hydrophobic base, 4-propynylpyrrole-2-carbaldehyde, as an efficient pairing partner of 9-methylimidazo[(4,5)-b]pyridine."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 13. 4515-4518 (2003)

  • [文献書誌] 平尾一郎, 横山茂之: "新規遺伝子の人工創製"蛋白質・核酸・酵素. 11. 1496-1502 (2003)

  • [文献書誌] 平尾一郎, 木本路子: "新しい医薬:核酸アプタマー"バイオマテリアル・生体材料. 21. 270-277 (2003)

  • [文献書誌] 平尾一郎(関根光雄, 斉藤烈編): "ゲノムケミストリー、ポリメラーゼ認識能をもつ人工塩基対"講談社. 240 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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