研究課題/領域番号 |
15350099
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牧野 圭祐 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (50159141)
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研究分担者 |
小瀧 努 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (70170264)
金折 賢二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (30273543)
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キーワード | 一酸化窒素 / 発ガン / デオキシオキザノシン / DNAオリゴマー合成 / 修復酵素検出 / DNA-核内化合物架橋 |
研究概要 |
一酸化窒素によって遺伝子内に生成するデオキシオキザノシン(dOxo)残基が捕捉する核内タンパク質を同定して一酸化窒素による発ガンの機構を解明するために、以下の研究を行った。 (1)dOxoアミダイトモノマー合成:dOxoからの5'-O-DMTr-dOxo-phosphoramidite合成法の収率向上に努めた。dGuoからのdOxo収率15%、dOxoからの5'-O-DMTr-dOxo(a)の収率70%、aからの高純度5'-O-DMTr-dOxo-phosphoramidite合成収率を72.5%に向上した。 (2)dOxoを鎖中にもったオリゴヌクレオチドの合成:5'-O-DMTr-dOxo-phosphoramidite(b)を5番目のアミダイトモノマーとした自動合成法を完成した。bのカップリング収率は93%以上であり、20量体全体の平均カップリング収率97%を達成した。修復酵素捕捉・同定に使用するdOxo含有DNAオリゴマーの量の獲得に成功した。また、鎖中dOxoは制限酵素およびライゲースによる反応ではdGuoと認識されることを明らかにした。また、担体への固定化法を完成した。 (3)dOxoを鎖中にもったオリゴヌクレオチドによる細胞内修復酵素の捕獲・同定:ライゲース反応がdOxoによって阻害されないため、場合によってはライゲーションを用いた、本目的に用いるdOxoを含む数十量体の巨大DNAオリゴマー合成法を完成した。dOxoを含むDNA二重鎖と株化した動物あるいはヒト細胞破砕液中のタンパク質との架橋反応を検出したが、期間中にこのタンパク質の同定は完了できなかった。 (4)i-motif構造形成因子解析:期間中には完了できなかった。 (5)総括:3年間の研究によって、一酸化窒素による細胞ガン化のメカニズム解明の成功に接近したと評価する。
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