研究課題/領域番号 |
15350099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牧野 圭祐 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (50159141)
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研究分担者 |
小瀧 努 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (70170264)
金折 賢二 京都工芸繊維大学, 大学院工芸科学研究科, 助教授 (30273543)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 一酸化窒素 / 発ガン / デオキシオキザノシン(dOxo) / dOxoアミダイトモノマー合成法開発 / dOxo含有DNAオリゴマー合成 / 修復酵素との架橋形成 / 二重鎖中dOxoの修復酵素 / DNA関連酵素のdOxo認識 |
研究概要 |
生命維持に必須の生理活性を持つ内因性化合物NOは、一方では炎症部位等で過剰生産され、細胞毒性を示すとされているが、明確な解は得られていない。本研究では、基盤研究(B)(2)(平成12-14)に引き続き、この問題の解決に迫った。研究期間では、(1)発見した損傷デオキシオキザノシン(dOxo、塩基部オキザニンOxa)のアミダイトモノマーの高収率合成法を開発し、合成したモノマーを用い、自動合成機によってDNAオリゴマー合成に成功した(dOxoモノマーのカップリング収率>95%、25量体DNAオリゴマーの全体収率は85%)。(2)合成したDNAオリゴマーをテンプレート及びプライマーとして用い、DNAポリメラーゼ鎖伸長反応を行った。Oxa向かい側への取り込み程度はC及びTで同等であったため、Oxa生成による催奇性が示唆された。(3)塩基除去修復(BER)酵素及び細胞粗抽出物を用い、Oxa認識活性のスクリーニングを行ったが、同損傷を除去する活性は見つからなかった。Oxaとポリアミンの付加体がヌクレオチド除去修復機構により修復され、細胞内Oxa生成が示唆された。(4)Oxaを認識するBER酵素のスクリーニングを行い、DNAグリコシラーゼがOxaと速やかに反応し、不可逆的架橋反応することを明らかにした。ヒストン等の非特異的に結合する核内タンパク質も同様にOxaと架橋を形成するが、DNAグリコシラーゼに比べ極めて遅いことも示した。Oxaによる新規修復酵素トラップの可能性を示す結果である。(5)酵素認識・架橋反応機構を明らかにするために、Oxaを鎖中に含む二重鎖を核磁気共鳴法で測定中である。以上、予定した研究を順調に遂行した。
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