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2004 年度 実績報告書

ヘムを情報伝達分子とする蛋白質の構造と機能およびそのシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15350101
研究機関京都大学

研究代表者

石森 浩一郎  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20192487)

研究分担者 高橋 聡  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (30283641)
若杉 桂輔  京都大学, 工学研究科, 助手 (20322167)
キーワードヘム制御蛋白質 / 鉄応答制御因子 / Irr / 軸配位子交換 / 共鳴ラマンスペクル / パルスラジオリシス / 電子線照射 / ヘム生合成制御
研究概要

本期間中には以下の点について研究を行った.
1.Irrのヘム結合におけるFe-S伸縮振動の帰属
Irrはシスステインがヘム鉄に配位することにより,ヘムを結合するとされているが,その配位についての分光学的な確証,特に,ヘムとその軸配位子であるシステインとの結合であるFe-S結合の分光学的な帰属については明らかではなかった.そこで,^<54>Feと^<56>Feを含む鉄ポルフェリン錯体を結合させたIrrの共鳴ラマンスペクトルの比較から,^<56>Feを含む鉄ポルフェリン錯体を結合させたIrrで観測される333cm^<-1>のラマン線のみが,ヘム鉄を^<54>Feに置換することで3cm<-1>の高波数側へのシフトを示すことが明らかとなった.したがって,IRP2のヘム結合におけるFe-S伸縮振動は333cm^<-1>であると帰属でき,このラマン線の位置から,従来のヘム蛋白質に比べ,IRP2のヘム結合は弱く,特異なヘム配位環境であることが示された.
2.Irrにおける軸配位子交換の分子機構
Irrは酸素分子の結合により分解することでDNA結合能が消失すると考えられているが,その際には鉄3価のヘム鉄が2価に還元され,そこに酸素が配位することが必要である.しかし,通常の条件では酸素雰囲気下での還元が困難なため,酸化的修飾に必要な酸素の活性化機構の解析はほとんど進んでいない.そこで電子線照射によるパルスラジオリシスを利用して,酸素雰囲気下でのヘム鉄の還元過程を追跡することを試みた.鉄3価のヘムが結合したIrrに電子線を照射すると,まず,390nm付近に吸収極大を示す分子種が生成し,次いで420nm付近に吸収極大が移動した.このような変化は,電子線照射によって生成した水和電子がヘム鉄を還元することで,鉄2価でシステインの配位した状態が生成し,その後に軸配位子が交換して鉄2価ヒスチジン配位となることを示している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Two Heme Binding Sites Are Involved in the Regulated Degradation of the Bacterial Iron Response Regulator (Irr) Protein2005

    • 著者名/発表者名
      Yang, J. et al.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 280

      ページ: 7671-7676

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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