• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

ヘムを情報伝達分子とする蛋白質の構造と機能及びそのシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15350101
研究機関北海道大学

研究代表者

石森 浩一郎  北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20192487)

キーワードヘム / 鉄代謝制御蛋白質 / Irr / IRP2 / ポルフィリン生合成 / 酸化的修飾
研究概要

ヘムを情報因子としてその機能が制御される,ポルフィリンの生合成,あるいは鉄代謝に関連した制御タンパク質について,その構造化学的研究を行い,本年度は以下の結果が得られた.
1.ポルフィリン生合成制御タンパク質Irrのヘム依存性酸化的修飾
Irrは細胞内の鉄イオン濃度に応じてポルフィリンの生合成過程を制御しているが,その制御機構においては,ヘムと酸素分子の存在によるタンパク質の分解が鍵となっている.今年度はこのIrrにおけるヘムと酸素分子によるタンパク質分解について,質量分析計を駆使してその酸化様式と酸化部位の同定を試みた.その結果,Irrにおいてヘム結合部位近傍と想定されている部位に,酸素原子の挿入が観測されるとともに,さらにその周辺では通常のプロテアーゼ処理では切断されない部位で切断されたペプチドが検出された.以上の結果はヘムに結合した酸素分子が活性化され,ヘム結合部位付近に酸化的修飾とペプチド鎖の切断を引き起こしたものと考えられた.
2.鉄代謝制御タンパク質IRP2のヘム配位環境
IRP2は鉄代謝に関連するタンパク質の翻訳過程を制御しており,ヘムの結合により,ユビキチン化され,プロテアソームで分解されることが知られている.このようなユビキチン化の際にはヘムの結合による酸化的修飾が重要であると想定されているが,その分子機構を考える上で重要なヘムの配位環境は明らかではない.このIRP2において,従来の研究からヘムに配位しているアミノ酸として示唆されているドメインIに存在するHisを変異させたところ,野生型と同様な分光学的特性を示し,このHisはヘムの結合に関与していないことが示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Two Heme Binding Sites Are Involved in the Regulated Degradation of the Bacterial Iron Response Regulator (Irr) Protein2005

    • 著者名/発表者名
      Yang, J.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 7671-7676

  • [雑誌論文] Involvement of Heme Regulatory Motif in Heme-Mediated Ubiquitination and Degradation of IRP22005

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa, H.
    • 雑誌名

      Mol.Cell 19

      ページ: 171-181

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi