研究概要 |
TPMS構造を持つ温度変化型液晶と濃度変化型液晶の物性の比較 温度変化型液晶と濃度変化型液晶の物性に注目し,高次構造(層状構造,TPMS構造など)に注目すると,その性質が統一に比較できることを明らかにした.たとえば,TPMS構造ではその三次元連結性に起因する揺らぎの抑制のため,層状構造をとるスメクチック相やラメラ相より小さな熱容量(エンタルピー揺らぎ)を示す. 複数のTPMS相の熱容量の比較 前項のTPMS相の小さな熱容量の定量的な解析の可能性を探るために,複数のTPMS相を持つANBC(22)について精密熱容量測定を行った.これらおよび関連化合物の結果を基に,純粋な幾何学的な効果とは考えられないことを明らかにした. 次年度以降の実験の準備 ・熱力学第3法則に基づくTPMS相のエントロピーの絶対値を測定するために,熱容量測定温度範囲を極低温まで拡大する必要がある.本年はそのために3He冷凍機を購入した.既存の緩和型熱量計に組み込み,測定データの信頼性の検証実験を行っている. ・TPMS構造を示す高分子試料を選定し,調整中である.年度内に実験が可能な量の試料を用意できる予定である.
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