研究概要 |
本年度は、Ce^<3+>を活性イオンとし、モディファイドシリカガラスにドーピングをおこなったバルクガラスとそれを紡糸したファイバーを作製し、以下の結果を得た。 1.Modified SiO^2ガラスとして、P, B,およびB+Pの共ドープをした試料を作製した。その結果、Ce^<3+>の発光波長のピークはnon-doped(420nm)〜B(415nm)>P(360nm)>B+P(330nm)と大きく変化し、ドーピングの効果が顕著に現れることがわかった。同時にその励起スペクトルのピーク位置も敏感にシフトし、non-doped(340nm)〜340nm(B)>P(300nm)>B+P(280nm)となった。すなわち、ドーパントとしてPはBと比べると極めて有効に働くことがわかった。発光波長が可視から紫外にシフトし、ストークスシフトの大きさが著しく減少する。蛍光寿命は60nsから30ns程度に減少した。 2.パルスESR法で上記の試料について、4KでのElectron Spin Echo Envelope Modulationを測定した。いずれの試料においても3パルス法で明瞭なESEEMシグナルが観測され、それをフーリエ変換することによりCe^<3+>の近傍に位置する磁気イオンを同定した。その結果、^<31>P、^<10,11>Bに相当する周波数にピークが得られた。現在そのパターンのsimulationを行うことによって、配位構造の決定を行っている。 3.バルクとファイバとの発光特性を比較をおこなったが、顕著な違いは見られなかった。
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