研究課題/領域番号 |
15350120
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
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研究分担者 |
山田 淳夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30359690)
園山 範之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50272696)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | リチウム電池 / 全固体電池 / チオリシコン / エピタキシャル薄膜 / in-istu測定 |
研究概要 |
リチウムイオン電池に使用されている可燃性の有機電解液を、不燃性の無機固体電解質に置き換えると、電池の安全性、信頼性の向上につながる。固体電池の実現に向けて求められる課題は、(1)高いイオン導電率を有する固体電解質の使用、(2)電極/電解質界面の電気化学反応の高速化が挙げられる。課題(1)の克服には、25℃において極めて高いイオン導電率2.2×10^<-3>S/cmを示すチオリシコンLi3.25Ge0.25P0.75S4を用いて、電解質抵抗を溶液程度にまで小さくした。一方課題(2)の克服に向けて、電極/電解質界面に自己組織化界面を形成させることを試みた。その結果、Li-Al合金とLi3.25Ge0.25P0.75S4の界面において、電解質の分解生成物である固体電荷質層SEIが形成されていることを世界に先駆けて見いだした。このSEIにより固体-固体界面の接合性が向上し、電気化学反応の高速化につながった。固体電池では高い電流密度1.3mA/cm^2においても優れた充放電特性を示す全固体リチウム電池の開発に成功した。 層状岩塩型酸化物LiMO_2(M=Co,Ni)やスピネル型酸化物LiMn_2O_4は可逆的なリチウムインターカレーション特性を示すが、詳細な機構は未だ明らかでない。本研究ではこれらの正極材料についてエピタキシャル薄膜を作製し、理想界面を構築することにより、電極反応機構の詳細を明らかにすることを目的とした。PLD法により異なる配向性を持つLiNi_<0.8>Co_<0.2>O_2、LiMn_2O_4エピタキシャル薄膜の作製に成功した。これらの薄膜を用いて、SPring-8のBLI4BIにおいてin-situX線回折測定およびX線反射率測定を行い、インターカレーション反応が配向性の違いに起因するリチウム拡散パスの違いに依存することおよび電極表面での被膜生成と配向性との相関を明らかにした。
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