研究概要 |
本研究では,界面コロイド化学的な自己組織構造を利用してバイコンティニュアスな無機多孔体の合成を行い,その構造と物性相関の解明を通して,機能電極材料の創製を行うことを目的とする。今年度は,コロイド結晶テンプレートおよび両連続マイクロエマルションを利用した多孔体合成について検討した。 1.コロイド結晶テンプレート法によるTiO_2マクロ多孔体の合成 0.1〜0.5ミクロンの粒子径からなる単分散ポリスチレン(PS)ラテックス溶液から,PSコロイド結晶を調製し,その粒子間隙にチタンイソプロポキシド溶液を含浸させ,ゲル化後,550℃焼成することによりアナターゼTiO_2多孔体を得た。PS粒子径に対応したマクロ細孔が規則的に配列し,三次元的に連続した構造であることをSEM観察により確認した。 2.コロイド結晶テンプレート法によるカーボン多孔体の合成 120〜16nmのシリカコロイド溶液を遠心分離することによりシリカコロイド結晶を調製し,これをフェノール/ホルムアルデヒド混合溶液に浸漬し,128℃で熱処理して粒子間隙にフェノール樹脂を生成させた。次いで,Arガス雰囲気下,1000℃で熱処理することによりカーボンを生成させ,さらにHF水溶液で処理してシリカを溶出させることによりカーボン多孔体を得た。N_2吸着測定,TEM観察により,シリカ粒子サイズに対応したマクロ〜メゾ領域サイズの細孔とフェノール樹脂そのものがカーボン化する際に生成するミクロ細孔からなる二元系多孔カーボンが得られていることがわかった。 3.両連続マイクロエマルション法によるシリカメゾ多孔体の合成 テトラデカン/ジドデシルジメチルアンモニウム/塩酸の3相系において両連続マイクロエマルションを調製し,これにテトラメトキシシランを加えゾル-ゲル反応を行った。得られたゲルを洗浄後,550℃焼成することにより高表面積シリカメゾ多孔体を得た。
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