研究課題/領域番号 |
15350123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 泰道 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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研究分担者 |
鎌田 海 熊本大学, 工学部, 助手 (90315284)
鯉沼 陸央 熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
西田 稔 熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
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キーワード | 層状酸化物 / 酸化チタン / 自己組織 / 静電相互作用 / ナノシート / 電気泳動 / 光電気化学 / ルテニウム錯体 |
研究概要 |
セシウム/チタン層状酸化物を合成したのち、塩酸溶液に浸してプロトン/チタン層状酸化物を得た。これをエチルアミン水溶液に入れて攪拌することにより、溶液にホスト層が剥離する。この層は厚さ約3〜4オングストロームのTi-Oからなるナノシートとして存在している。さらに表面はマイナス電荷を帯びている。このようなナノシートが剥離分散した溶液に、プラス電荷を持つ種々の金属イオンや錯体の水溶液を入れることにより、これらの陽イオンとナノシートが静電的に結合し、新たな陽イオンがインターカレートした層状酸化物が得られた。この方法を我々は、静電自己組織的析出(Electrostatic Self-assembly Deposition, ESD)法と名付けた。このESD法の特徴は、短時間に完全に多種類の金属イオンをインターカレートできることである。この手法の開発により、多くの層状チタン酸化物を作製することに成功した。さらに、それを電気泳動法により電極に固定化し、その光電気化学的測定を行った。銀イオンを含有する層状酸化物は、電気化学的にレドックス反応を示し、還元により金属クラスターを層間に形成することが判明した。さらにルテニウムビピリジン錯体を含有した層状酸化物を熱処理したものは、この錯体に特有の可視光応答を示した。これら一連の研究成果は、層間で様々な物質が作製でき、特異な機能性を持たせる可能性を示しており、来年度以降の研究の発展に大いに役立っている。
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