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2004 年度 実績報告書

チタンとニオブ層状酸化物のナノ層間場を利用する物質創製

研究課題

研究課題/領域番号 15350123
研究機関熊本大学

研究代表者

松本 泰道  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)

研究分担者 西田 稔  熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
鯉沼 陸央  熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
キーワードナノシート / 希土類 / ルテニウム / 層状酸化物 / ラマンスペクトル
研究概要

本年度は、我々が開発した静電自己組織的析出(ESD)法に加え、同じ原理によるLayer by Layer (LBL)法による積層膜の形成を行った。またこのようにして作製した膜の光電気化学特性、光触媒特性、発光特性について検討した。
ESD法やLBL法によって層間にルテニウムビピリジンとメチルビオロゲンの両者を含有する層状酸化物を合成した。その結果、両者を含有する層状酸化物では、ルテニウムビピリジン単独を含有するものより可視光のもとで大きな光電流を観察できた。これは、電荷移動をメチルビオロゲンが促進していることによる。さらに、ルテニウムビピリジン単独を含有する層状酸化物の水素発生触媒活性をアルコール存在下で評価した。その結果、可視光存在下でも水素発生が観察された。このように、層間に存在する色素はその可視光吸収によって水を分解する光触媒として作動することが明らかとなった。しかしながら、層間のルテニウムビピリジンは次第に溶解することが明らかとなり、光触媒として利用するときこの改善が重要になる。
上記の方法で作製した希土類含有層状酸化物膜の発光特性を測定した。ユーロピウムを含有する層状酸化物は、紫外光励起により614nmに強い発光を示した。励起スペクトルからホスト層のバンドギャップ励起からユーロピウムへのエネルギー移動に基づくことが判明した。さらに、熱処理することで発光強度が減少することも見いだした。これらの結果は、層間の水分子の存在が発光を促進していることに基づくと推定された。そこで、湿度の違う環境で発光強度を測定すると、乾燥状態では発光強度が極端に減少することが分かった。このような異常な発光現象は、層間に存在する水分子が氷に似た水素結合しており、このことがその中に存在するユーロピウムに電子やホールの移動を促進するためと考えられた。実際、ラマンスペクトルから層間水分子は氷に近い水素結合していることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Electrochemical approach to evaluate the mechanism of photocatalytic water splitting on oxide photocatalysts2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Matsumoto, U.Unal, N.Tanaka, A.Kudo, H.Kato
    • 雑誌名

      J.Solid State Chem. 177

      ページ: 4205-4212

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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