研究概要 |
1)カーボン層のナノ構造制御 1-1)カーボン被覆のための前駆体の選択によるナノ構造制御 セラミックス粒子としてMgOを,カーボン前駆体としてポリビニルアルコール(PVA)を選び,900℃で加熱処理した.MgO/PVA混合比率を変えることによって,被覆カーボン量を制御できることを明らかにした.また,実測比表面積値からの計算値と遊離させたカーボンについての実測値とよい一致を示し,細孔の大部分が,ナノサイズの大きさを持っていることが明らかになった.3種のカーボン前駆体を用い,光触媒であるアナターゼ型TiO_2への900℃での被覆を行い,その細孔構造を比較した結果.前駆体の種類に関係なく,900℃で生成したカーボン層は同一の細孔構造を持っている. 1-2)ナノ構造制御したカーボン層のより効率的被覆プロセスの確立 PVA水溶液中でのチタニウムイソプロポキシドの加水分解によって,PVA被覆TiO_2微粒子を作成し,その加熱処理によってカーボン被覆アナターゼが作成できた.PVA濃度を変えることによって,カーボン被覆アナターゼのカーボン含量が制御できることを見出した. 2)被覆カーボン層と基材との相互作用による機能の高度化 2-1)TiO_2の還元相Ti_4O_7の創製とその光触媒能の評価 カーボン層と酸化チタンが反応し,TiO_2の還元相Ti_4O_7を作成することができた.そして,このように作成されたカーボン被覆Ti_4O_7相が紫外線照射下で光触媒能を持つことを明らかにした. 2-2)カーボン被覆金属Pd微粒子の創製とその触媒能の評価 酸化パラジウムPdOとPVAの粉末混合物を高温へ加熱することによって,カーボン被覆金属パラジウム微粒子とすることができることを示した.しかし,NOガスの分解を行うことができなかった.そこで,無電解メッキに用いられる触媒化法に準じた方法を用いて活性炭上への微粒子パラジウム金属の担持を行い,そのNO分解機能を評価した.
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