研究概要 |
1)カーボン層のナノ構造制御 1-1)カーボン被覆のための前駆体の選択によるナノ構造制御 MgOをポリビニルアルコール(PVA)の粉末混合物を900℃で加熱処理した.酸化マグネシウムを酸によって溶解除去した後のカーボン材料はミクロ孔(孔径2nm以下)およびメソ孔(2〜50nm)に富んでいることを明らかにした. 同様のプロセスで作製したカーボン被覆アナターゼは光触媒能に加えて吸着能を賦与することができ,被覆したカーボン層は,吸着場としてのみでなく種々の役割を持っており,光触媒能による水中汚染物質の分解・除去の過程でのパフォーマンスに対する役割を議論した. 1-2)ナノ構造制御したカーボン層のより効率的被覆プロセスの確立 PVA水溶液中にアンモニアを加えることによってPVA溶解度を上げることができ,それを使ったアナターゼ粒子の被覆を行った.その結果,水中のフェノールの吸着能が向上し,それに伴ってフェノールの光分解能も向上することを明らかにした. 2)被覆カーボン層と基材との相互作用による機能の高度化 2-1)TiO_2の還元相Ti_4O_7の創製とその光触媒能の評価 カーボン層とルチル型酸化チタンを1000℃窒素気流中で反応させることによって,Ti_4O_7を含む還元相Ti_nO_<2n-1>(n=3-9)を合成し得ることを見出した.それは蛍光灯光下で光触媒能を持つ. 2-2)カーボン被覆金属Pd微粒子の創製とその触媒能の評価 無電解メッキに用いられる触媒化法に準じた方法を用いて,パラジウム金属微粒子を活性炭上へ直接担持できることを示した.金属微粒子の担持には酸性溶液を用いる必要がある.このように調製したPd炭素活性炭は,高いNO分解率を持つことを明らかにした.
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