研究課題/領域番号 |
15350127
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
國府田 悦男 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40124648)
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研究分担者 |
小川 和義 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (60375433)
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キーワード | 両性高分子電解質 / ナノゲル微粒子 / バルクゲル / 解離基分布 / 静的光散乱実験 / 静的光散乱実験 / 電気泳動光散乱 |
研究概要 |
本研究の目的は、高分子電解質ナノ架橋体の粒子内相互作用及び粒子間相互作用を、バルクゲルの体積変化とポリイオン鎖のconformation変化に対比させながら、分子間の斥力と引力に基づく"バランスモデル"を用いて議論しようとするものである。そのための有効な手段の一つとして、架橋高分子網目(ゲル)の電荷分布の不均一性の効果を調べる方法が考えられる。そこで、(1)N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を主要構成成分とする高分子電解質網目内に酵素を固定し、固定化酵素反応によりゲル相内にpH勾配を形成させる方法と、(2)NIPA系両性高分子電解質網目にポリアニオンを包括させて局所的に電荷密度を高める方法を用いて、バルクゲルの膨潤・収縮特性を調べた。その結果、(1)及び(2)何れの系でも、架橋高分子網目の電荷がランダムに分布する系とは明らかに異なる膨潤・収縮挙動が観察された。これらの結果は、ゲル相とバルク相の間にDonnan膜平衡を仮定し、膨潤力をゲル相内の対イオンの浸透圧に帰着されるFlory'モデルでは説明できない。他方、架橋高分子網目の固定電荷間の静電相互作用を考慮するKatchalsky'モデルを基本とする"バランスモデル"は、引力として(a)異符号電荷間のクーロン力および(b)疎水性相互作用と(c)水素結合を考慮し、同符号電荷間斥力とのバランスを考えるとで(1)と(2)の実験結果を良く説明できることが明らかとなった。さらに、高分子電解質ナノ架橋体(ナノゲル)と鎖状高分子イオンの複合体形成に伴う粒子間と粒子内相互作用に関する実験結果も、"バランスモデル"を用いることで、十分に理解できることが分かった。なお、これらの結果を応用して、新たなタイプのグルコースセンサの開発を行った。
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