研究課題
本研究は高分子繊維構造に特有な、いわゆるシシカバブ構造形式の機構を解明し、高強度・高弾性率繊維開発に対して基礎的な知見を与えようとするものであり、高分子の流動場下における結晶化機構の解明をめざして研究を進めた。融点以上に高分子を加熱溶解したのち、結晶化温度まで降温し、せん断流動を与えた。その後における等温結晶化過程を種々の高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンレフタレート、生分解性高分子であるポリ乳酸等)について時間分割小角X線散乱(SAXS)、小角中性子散乱(SANS)、広角X線散乱(WAXS)、偏光解消光散乱(DPLS)、光学顕微鏡(MO)によりオングストロームからミクロンの広い空間スケールの範囲で観測した。その結果、(1)シシカバブ形成には臨界せん断および臨界せん断ひずみが存在する。(2)超高分子量成分はシシカバブ構造形成を促進するがこれにも臨界の濃度が存在するが、さらに多量の超高分子量成分を加えるとはシシカバブ構造形成を阻害する。さらに(3)時間分割測定よい、まず伸張鎖結晶であるシシが形成され、シシの形成後にその回りにエピタキシー的に折り畳み鎖のラメラ結晶(ケバブ)が成長したものであることが明らかになった。これら知見はより効果率の高いシシカバブ生成条件を提示するものであり、出口指向の研究と提携することにより実際的成果になりえる。
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Fiber Formation in Medium and Ultra-High-Molecular-Weight Polyhydroxybutyrate Belnds under Shear Flow 46
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