研究課題/領域番号 |
15360001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
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研究分担者 |
SLUITER Marcel 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70292266)
吉川 彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50292264)
福田 承生 東北大学, 多元物質科学研究所, 研究教授 (30199236)
西松 毅 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70323095)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00271966)
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キーワード | フォトニック結晶 / 単結晶育成 / マイクロ引き下げ法 / 共晶体 / 流体計算 / マランゴニ対流 / 材料設計 / 機能性材料 |
研究概要 |
本研究は、光技術革新において期待されているフォトニック結晶を開発対象とし、ナノテクノロジーにより新規に発見された物性をそのまま有するフォトニック結晶のバルク体の開発を達成するため、コンピューターシミュレーションを用いた材料設計法の確立とそれに基づいたマイクロ引下げ法による高速融液成長法の確立およびフォトニックバンドギャップの評価法の確立を目指している。 結晶育成によるアプローチでは新規フォトニック結晶の探索は誘導加熱方式のマイクロ引き下げ(μ-PD)法により行った。これは、坩堝に原料を入れて誘導加熱方式で坩堝を加熱し原料を融解し、坩堝下方先端部の細孔から融液を引き出す方法である。坩堝材、およびアフターヒーターにはIrを用い、Irの酸化を防ぐため結晶作製はAr雰囲気下で行った。ロッド状の微細構造を持つ共晶体として、先ずはMgA1204/MgOの試作を行った。通常の共晶体は微細構造の界面で光の散乱が起こり光は透過しないが、本研究で作製したMgA1204/MgO共晶体は半透明であり特に成長方向に対して透明である。このことから、MgA1_2O_4/MgO共晶体の微細組織はロッド状によく制御されていることが分る。 流体計算によるアプローチでは無重力状態下で現れるマランゴニ対流を通常の単結晶の引き上げ法での融液の流体計算コードに取り入れて、より高精度のシミュレーション手法を確立できた。この研究過程で単結晶作製時にはマランゴニ対流は自然対流を加速する方向に働き、液体中の熱輸送に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。現在、最適な単結晶作製条件を求めるために単結晶育成への適用を進めている。
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