研究課題
本研究においては、CoやMnなどの金属磁性体と、ZnSe系化合物半導体、特に巨大磁気光学効果を示すZnMnSeなどの磁性半導体の原子層制御積層構造や微細複合ナノ構造を作製する。そして、両者の界面構造や界面における磁気的相互作用、あるいは微細複合ナノ構造における磁気光学機能性などを研究し、新しい光スピン機能性を持つ磁性体・半導体ハイブリッド材料の創製を目指すことを目的としている。平成17年度は、これまでの研究成果をもとに、各種の磁性体・半導体界面や複合ナノ構造における新しい光スピン機能性を研究した。1.原子層オーダーで膜厚を制御した非磁性半導体ZnCdSeと磁性半導体ZnCdMnSe量子井戸を接合した非対称磁性二重量子井戸を作製し、その励起子スピンダイナミクスを磁場中円偏光時間分解PLにより研究した。磁性井戸の磁場による巨大ゼーマン効果により、二重量子井戸のポテンシャルがスピンに依存して変化し、スピンに依存したタイプII発光が観測された。これより、スピン偏極正孔を空間的に分離させる新しい光スピン機能性を実現した。2.電子ビームリソグラフィーにより作製した垂直磁化Co/Pt多層膜と磁性半導体ZnCdMnSe量子井戸の複合ナノディスク構造を考案・作製した。ZnCdMnSeナノディスクの励起子発光の円偏光特性を調べ、Co垂直磁化より半導体ナノディスクに生じる局所的な垂直磁場により誘導される励起子巨大ゼーマン効果を明らかにした。すなわち、強磁性体ナノ構造から発生する磁場を利用して、半導体励起子キャリアのスピン状態を制御することに成功した。3.非磁性半導体CdSe自己組織化量子ドットと磁性半導体ZnCdMnSe量子井戸を原子層オーダーで膜厚制御したトンネルバリアー層により結合させた全く新しい光スピン機能性量子ナノ構造を創製した。
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