研究課題
基盤研究(B)
AlNやAlGaNは優れた熱伝導性や広いバンドギャップから、高周波出力素子や紫外発光素子として有望な材料である。厚膜を目的とした結晶成長方法としてハイドライド気相成長法(HVPE)が有望であるが、III族原料である一塩化アルミニュームガスは反応管を構成する石英と反応するために、Al系化合物半導体のHVPE法は不可能であると言われてきた。しかし、本研究でアルミ塩化物と石英との反応の可能性を熱力学解析により、検討した結果、三塩化アルミニュームを原料ガスに用いることにより、石英と反応することなくAlNの成長が可能なことを見出した。さらに、実際に原料の輸送実験的およびAlNの成長実験を行い、熱力学的解析による予想がとよい一致が得られたことを明らかにした。実際のサファイヤ基板を初期基板としたAlNの成長層のX-Ray測定から、世界で始めてC軸配向した良質な結晶がHVPEで得られた。現在、世界的に3、4箇所でAlNのHVPEが試みられているが、本研究で得られた知見は世界的に価値あるものと考える。ついで、AlGaN三元混晶のHVPE成長の可能性を探るために、三塩化アルミニューム、一塩化ガリウムおよびアンモニアを用いたHVPE法の熱力学解析を行った。その結果、用いるキャリヤガス中の水素の濃度を10%以下にすることにより、全組成領域でAlGaNの成長が可能なことを明らかにした。現在まで、世界的にAlGaN成長の報告はなく、これらの研究によるAlGaNのHVPE成長に関する知見は今後のAlGaN自立基板結晶の成長に大きく貢献するものと考える。また、AlGaN三元混晶の基板結晶が実現すれば、例えば、GaNの基板の成功でGaNのレーザが実現したように、紫外発光素子や高出力高周波数の電子デバイスの実現に大きく寄与すると思われる。
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